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<震災6年>避難所運営59日 経験を1冊に

出版イベントで避難所運営の経験を話す自治会のメンバーら=11日、宮城県南三陸町
高橋さんの避難所ノート。支援物資の数などが細かく書き込まれている

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の住民有志は、自主運営した避難所の記録をまとめた「南三陸発!志津川小学校避難所59日間の物語 未来へのメッセージ」(明石書店)を刊行した。避難所運営の経験がない被災者が、試行錯誤しながら共助を実践した状況がつづられている。住民は「経験を次の災害のために役立ててもらいたい」と話す。
 志津川小避難所の自治会メンバーとボランティアで組織する実行委員会が編集した。大阪大の学生が自治会役員や避難者、支援者約60人に聞き取ったほか、自治会役員が当時使っていたノートを参考にした。
 震災発生から避難所を閉鎖するまでの59日間を日記形式で紹介。その日に何が起き、自治会メンバーがどう対応したかを物語のように記した。
 住民は震災3日後に自治会を結成し、自主運営に切り替えた。南三陸志津川さんさん商店街で11日にあった出版イベントで、自治会長を務めた高橋長泰さん(63)は「震災前の避難訓練は高台に逃げて終わり。避難所を運営することは想定しておらず、みんな手探りだった」と振り返る。
 自治会が毎日2回会議を開き、「土足禁止」「知り合い同士で班を編成する」といったルールを作ったことも紹介。卒業式のため全員で体育館を掃除し、夜はドラム缶のストーブを囲み本音で語り合ったことなど、避難者の団結ぶりを示すエピソードも盛り込んだ。
 出版は自治会副会長だった阿部忠彦さん(54)が2013年、町を訪れた東京のボランティア谷口善裕さん(54)に「避難所ノートを記録に残したい」と漏らした一言から始まった。本の収益は本の英訳や映像製作などに役立てられる。
 四六判340ページ、1200円(税抜き)。全国の書店などで販売される。連絡先は谷口さん090(4700)8784。


2017年03月13日月曜日


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