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<改正道交法>認知症診断対象 東北で6400人

 高齢ドライバーの重大事故を防ぐため、75歳以上の運転免許保有者に対し、記憶力や判断力の認知機能検査を強化する改正道交法が12日、施行された。東北6県の県警によると、「認知症の恐れ」と判定されて医師の診断を義務付けられる人は6県で年間最大約6400人に上る見込みだ。受診者が急増することで医療現場の混乱も懸念される。
 3年ごとの運転免許更新時に行われる認知機能検査や、18項目の違反行為をした際に新たに実施される臨時の検査で「認知症の恐れ」とされ、医師の診断が義務付けられる年間対象者数の県別の推計は表の通り。過去の検査実績や75歳以上の運転免許人口に基づき、各県警が試算した。
 法改正前に医師の診断を受けた人の数に比べ、十数倍から100倍超まで各県で増える見通し。認知症と診断されると、免許の取り消しや停止の対象になる。
 東北の各県警は負担増となる地元の医師会に制度への理解を呼び掛けるとともに、行政にも受診可能な医療機関の情報提供などの協力を要請している。警察側も秋田県警が新年度、高齢ドライバーや家族からの相談に応じる体制を強化するため、看護師を非常勤職員として採用する。
 受診者数の飛躍的な増加に、医療現場では不安が広がっている。東北医科薬科大病院の「もの忘れ外来」は現在、予約から受診まで約1カ月待ちだが、改正法施行後は3、4カ月に延びる可能性があるという。
 同病院認知症疾患医療センターの古川勝敏センター長は「認知症サポート医や一般の内科医にも診療してもらうことで、専門医への(受診者の)集中が和らぐ」と、医療連携の必要性を指摘する。
 認知症専門医でない仙台市内のある内科医は「医師の責任が重すぎる」と困惑気味。医師の認知症診断を受けて各都道府県の公安委員会が運転免許を取り消すかどうかなどを判断するため、「運転したい人に認知症の診断書を出せば恨まれるだろう。あまり携わりたくない」と打ち明ける。

[改正道交法]高齢ドライバーの増加を踏まえ、2015年6月に成立した。75歳以上のドライバーが3年ごとの運転免許更新時に受ける認知機能検査や、逆走や信号無視など18項目の違反時に行う臨時の認知機能検査で「認知症の恐れ」と判定された場合、医師の診断が義務付けられた。従来は「認知症の恐れ」と判定されても、一定の違反がなければ医師の診断は必要なかった。


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2017年03月13日月曜日


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