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<台風10号>久慈南部 半数が避難勧告知らず

記録的な豪雨で岩手県久慈市は中心部が広い範囲で冠水した。右下は久慈駅=2016年8月31日午後2時15分ごろ

 昨年8月の台風10号豪雨で被災した岩手県久慈市南部の山根地区で、半数の世帯に避難勧告発令が伝わっていなかったことが13日、住民組織の調査で分かった。防災の専門家は「各世帯に情報を直接伝える手段の構築が急務だ」と指摘する。
 調査は昨年12月、行政区長や老人クラブなどでつくる山根六郷の里協議会が実施。地区内の全176世帯を対象に聞き取り、123世帯が回答した。
 台風上陸に備え、8月30日午後4時半に久慈市が市内全域で発令した避難勧告について「知っていた」「知らなかった」は、ともに60世帯だった。市は勧告発令を防災行政無線の屋外スピーカーで流した。世帯主の年齢別でみると、発令を「知っていた」は70代で59%、80歳以上で40%で、高齢になるほど情報を把握していない傾向となった。
 避難しなかったのは94世帯あった。その理由(複数回答)は「自宅が安全」が65%と最多で、「避難場所への移動が危険」17%、「自力避難が困難」10%なども挙がった。
 道路の寸断で孤立した世帯は74世帯あった。
 同市山根地区の下戸鎖では8月30日夕、1時間当たりの雨量が観測史上最多の80.0ミリを記録し、女性1人が浸水した自宅で亡くなった。
 調査に協力した斎藤徳美岩手大名誉教授は「高齢者が多い地域では、防災行政無線の内容を直接伝えるシステムは欠かせない。避難経路が危険な状態になることを考慮し、安全な民家を避難場所とするなどの事前の工夫も必要だ」と話す。


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2017年03月14日火曜日


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