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<世界農業遺産>大崎耕土 多様な効果波及を

世界農業遺産への新規申請のため、居久根などを現地調査する農水省の専門家会議のメンバーら=1月、大崎市古川渋井

 宮城県大崎市と周辺4町に広がる「大崎耕土」が国連食糧農業機関(FAO)が認定する世界農業遺産の候補として申請されることが決まった14日、地元関係者は遺産認定に近づいたことに安堵(あんど)する一方、認定効果を地域に波及させる農業活性化の取り組みの重要性について思いを新たにした。
 運動を続けてきた「大崎地域世界農業遺産推進協議会」(会長・伊藤康志大崎市長)は同日、大崎市役所で記者会見。伊藤市長は「認定が最終目標ではない。農業、農村の課題は多い。遺産認定に向けて学んだことを土台に生産力や集客力の向上といった多様な効果を生み出したい」と強調した。
 猪股洋文加美町長も「タイトルを獲得しても、数年で忘れられるようでは意味がない」と言及。農業後継者確保などのため、協議会を構成する1市4町が独自に培ってきた農業技術、農産物のブランドなどを共有化する取り組みの必要性を指摘した。
 大崎耕土は2014年、「水鳥を育む湿地としての大崎の水田農業地帯」の題目で遺産認定に初挑戦したが、農林水産省の承認を得られなかった。大崎地方に水鳥の生息地を保護するラムサール条約の登録湖沼が2カ所あることから、協議会は「水鳥に関する国際的なタイトルが重複するのが嫌われた」と分析。400年以上にわたり整備されてきた用排水路や居久根(いぐね)(屋敷林)に焦点を当て再挑戦した。
 協議会は今後、申請書の英訳や認定後の行動計画の策定を行い、ローマのFAO本部である認定審査に備える。農水省の申請候補が却下されたことはなく、認定される可能性が大きい。
 1月に農水省の専門家会議が現地を視察した際に説明役を務めた、みどりの農協(美里町)理事佐々木陽悦さん(69)は「遺産の重みを住民が理解し、大崎耕土の価値を高めるためにどう行動すべきか考え続ける必要がある」と語った。


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2017年03月15日水曜日


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