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<復興基金>街づくり 特色異なる公園整備

宮城県東松島市あおい3丁目の公園「こども広場」。特色ある公園づくりを目指した住民の意向が反映された

 東日本大震災の復興基金調査で、基金用の財源を交付された東北の131市町村の執行率(2011〜15年度)は50.1%だった。復興基金を巡っては、石巻市など全国21市町が基金で購入した防災ラジオの大半が未配布のままとなり、会計検査院から問題と指摘された例もある。基金の残り半分をいかに有効に使うかは大きな課題。これまでに工夫を重ね、有効に活用した自治体も多い。

 宮城県東松島市は2012年度、防災集団移転後のまちづくりを視野に住民主体の「まちづくり整備協議会」を市内4地区に設立した。住民と行政が話し合う懇談会の開催費などに復興基金を充てる。コミュニティー再生を重視する市の復興施策に基金を生かす。
 市は「合意形成は時間がかかる。とことん意見を交わそう」と呼び掛け、各地区で自治組織発足までを支援する。
 財源は当初、復興交付金も併用したが、移転後のまちづくり事業には使えないことが判明。14年10月から財源を復興基金に一本化した。市の復興基金総額は約112億6600万円。基金を使ったコミュニティー関連の事業費は12〜15年度で約3300万円に上る。
 徹底して話し合う効果は大きかった。その象徴が移転先に設けられた公園の機能の差別化だ。
 住民から出たのは「同じ公園が地区内に複数あっても仕方ない」との声。市内最大規模の移転団地「あおい地区」では、四つの公園について「子ども向けの公園には遊具」「大人向け公園には健康運動器具」など設備を変えた。「四季を感じられるように」と公園ごとに開花時期の異なる樹木を植えた。懇談会での住民側の強い意向を市がくんだ。従来の行政主導だと、「公平性」を理由に同じような公園になった可能性がある。
 懇談会は多い時で年120回あった。市生活再建支援課は「使途が柔軟な復興基金を使い、行政と市民の双方が意見を言い尽くせた」と振り返る。
 あおい地区まちづくり整備協議会会長だった小野竹一さん(69)は「住民と行政の橋渡しをNPOに委託し、先進地の視察もできた。基金があることで幅広く活動できた」と話す。


2017年03月16日木曜日


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