岩手のニュース

<復興基金>後方支援 人つなぐ拠点運営

しぇあハート村の寮生と近隣住民が交流したイベント「ごはんの会」=2016年5月

 東日本大震災の復興基金調査で、基金用の財源を交付された東北の131市町村の執行率(2011〜15年度)は50.1%だった。復興基金を巡っては、石巻市など全国21市町が基金で購入した防災ラジオの大半が未配布のままとなり、会計検査院から問題と指摘された例もある。基金の残り半分をいかに有効に使うかは大きな課題。これまでに工夫を重ね、有効に活用した自治体も多い。

 岩手県盛岡市は、復興基金などを財源に、沿岸部出身の学生のための寮や支援団体の拠点となる「もりおか復興推進しぇあハート村」を運営する。避難者の交流拠点にもなっており、市は「後方支援をする自治体にとっても基金は財源として重要」と指摘する。
 しぇあハート村は、盛岡市が2013年5月、都市再生機構(UR)から寄贈された一戸建て25戸を活用し開設。学生寮8戸のほか内陸避難者の支援団体やボランティアグループの事務所、交流スペースなどとして使われている。家賃は無料。これまで沿岸から盛岡市内に進学した学生ら計41人が入居し、催しなどで多くの避難者が利用した。
 市は復興支援の拠点と位置付け、16年度は基金約49万円を計上。建物の維持管理や備品購入などに充てる。市危機管理防災課は「復興基金は一般財源と異なり、確実に充てられる財源。安定的な事業運営につながる。被災者の細かなニーズにも応えられる」と言う。
 市によると、市内の避難者は15日現在で1265人。大勢の被災者を受け入れる内陸自治体の役割は大きい。拠点は震災の風化防止にもつながっており、市は「国は後方支援を担う自治体の役割も考慮した配分を検討してほしい」と訴える。


2017年03月16日木曜日


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