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宮城特区カキ 他地区産を流用か

桃浦かき生産者合同会社=石巻市桃浦

 宮城県が導入した水産業復興特区制度の適用を受けた同県石巻市のカキ養殖漁業者と水産卸の仙台水産(仙台市)でつくる「桃浦かき生産者合同会社」の社員らが、河北新報社の16日までの取材に対し、過去に宮城県漁協の共同販売(入札)向けに出荷された県内の他地区のカキを入荷していたと証言した。事実上の親会社、仙台水産は「混入などあり得ない」と否定、事実関係を調べる考えを示した。
 合同会社は「桃浦かき」の表示で量販店などに販売している。合同会社の大山勝幸代表社員は16日、「以前は需要期に自前のカキが足りなくなると、仙台水産の関係者が共同販売のカキを仕入れて出していた」と説明。「良くないことで、今シーズンはやっていない」と述べた。
 元社員も、2014年の年末に県漁協の共同販売に使われる専用のたるに入ったむき身のカキが、たびたび会社に運ばれてきたと説明。「産地が書かれたラベルをはがしてカキをたるから出して出荷していた。本来なら自分たちで養殖したカキを出荷するはずなのに、おかしいと思った」と明かした。
 周辺の複数の水産関係者も、13年から15年までの需要期に当たる年末に「県漁協のたるに入ったむき身のカキが会社に持ち込まれている様子を目撃した」などと話している。
 これに対し、仙台水産の島貫文好会長は取材に「他地区のカキを桃浦産として出荷したことは100%あり得ないと思っている。全国的に注目される会社がブランドに傷を付けるようなことはしない」と強調。一方で「昨季以前のことはすぐに確認できないので会社として調査する」と語った。
 水産特区制度は東日本大震災の発生前まで優先的に漁協に与えられてきた沿岸漁業権を、民間企業にも開放する仕組み。震災で打撃を受けた漁業・水産業の復興策の目玉として、村井嘉浩知事が県漁協の反対を押し切って導入した。
 合同会社は12年9月、被災した桃浦地区の漁業者15人と仙台水産が出資して設立。養殖カキの生産、加工、販売を一括して行うとして13年9月に県から5年間の漁業権を付与され、補助金が投入された。仙台水産が資金や技術、販路確保などを全面支援。水産業や6次産業化の新たなモデルとされた。


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2017年03月17日金曜日


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