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<仙台空港アクセス線>輸送力向上へ期待

アクセス線から降り、空港に向かう乗客=13日午後、名取市の仙台空港駅

 JR仙台駅と仙台空港を結ぶ宮城県の第三セクター鉄道「仙台空港アクセス線」が18日、開業から満10年を迎える。完全民営化された仙台空港の路線拡大に伴って輸送力向上への期待は高まるが、開業時から続く赤字体質が新たな設備投資を妨げている。交流人口の拡大を支えるインフラとして、さらなる快走を図る知恵が問われる。(報道部・片桐大介)
 仙台空港アクセス線は4日から普通列車2往復と快速1往復を増便した。仙台空港を運営する仙台国際空港(名取市)の幹部は「現有車両と設備で最大限努力してもらった。今後は先行投資を含めた利便性向上をお願いしたい」と話し、一層のダイヤ改善を促す。
 2016年度の空港の旅客数は318万人(見込み)。同社は空港運営権の獲得時に掲げた20年度410万人、44年度550万人の目標達成に向け、全力を挙げている。増やした旅客をリピーターにつなげるには、空港からの2次交通の改善が不可欠になる。
 現状では、発車時刻が30分以上間隔が空く時間帯がある。旅客機到着時間が重なる時はトランクを抱えた乗客で混み合い、仙台空港駅のホームで乗客が寒風にさらされることもある。
 空港会社を設立した中心企業は大手私鉄の東急電鉄(東京)だ。空港会社幹部は「交通手段は客が利便性で選ぶ時代。客を失わないように、待たずに乗れる安心感が必要」と助言する。
 一方、アクセス線を運行する仙台空港鉄道(名取市)の渋谷浩社長は「さらなる運行本数の増発、車両増加は難しい」と説明する。
 開業時から続く単年度赤字は16年度も1億8200万円を見込む。累積赤字はなお70億円程度残り、積極的な先行投資は難しい状況にある。名取−仙台空港駅間の平均乗車率は28%(15年度)で、乗客がまばらな時間帯も多い。
 空港需要と沿線開発の影響で乗客数=グラフ=は伸びるとみられるが、「開業10年を経て、車両の検査や修繕の費用がかかる」(渋谷社長)こともあり、現有資産でしのぐ構えだ。
 県は、仙台空港鉄道と仙台国際空港にJR東日本を交えた4者協議で運行改善を検討する。遠藤信哉土木部長は「使い勝手の良い2次交通となるよう、長期的には新たな投資も必要になると考えている」と話す。


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2017年03月18日土曜日


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