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<特区カキ流用>宮城県漁協「制度の趣旨逸脱」

 宮城県による水産業復興特区制度の適用を受けた「桃浦かき生産者合同会社」(石巻市)が他地区産カキを入荷したとされる問題で、合同会社が宮城県漁協の共同販売(入札)に出された他産地のカキを仕入れ、加熱用の「宮城県産カキ」として出荷していたことが17日、分かった。合同会社の事実上の親会社で、水産卸の仙台水産(仙台市)が明らかにした。
 仙台水産は「取引先の了解を得ており問題ない」と説明するが、県漁協や他の生産者は「区画漁業権を得て養殖カキの生産、加工、販売を自社で一貫して行うとした特区制度導入時の趣旨を逸脱している」と反発。県は同日、現地に担当職員を派遣し、事実関係の確認を始めた。
 仙台水産によると、合同会社は昨年11月後半〜12月、東京の量販店からカキの注文を受けた。収穫量が少なく応じられないと返答したが「県内産でいいから」と求められたため、松島湾産のカキを6〜7回、計1トンほど仕入れ、「宮城県産」と明示して出荷した。
 カキは仙台水産の子会社「宮戸水産」(東松島市)が、県漁協塩釜総合支所であった県南部地区の共同販売で落札したという。合同会社内には最近まで、カキを納める共同販売専用のたるが残されていた。
 仙台水産は「桃浦のカキではないため、県内産と明示した」と説明。合同会社の社員らによる証言で2014〜15年の年末にも共同販売のカキが入荷され、桃浦産として出されていた可能性については「事実関係を調査中」とした。近く記者会見を開いて結果を報告する考えを示した。
 県漁協の幹部は「合同会社は設立当初、『自分たちで生産したカキしか扱わない』と約束した。『県内産』と表示したとしても、共同販売のカキを仕入れて売ること自体が約束破りだ」と指摘する。
 県漁協は17日、県に対して産地偽装の有無などを調査するよう要請。高橋文生かき部会長は「他の生産者が養殖したカキを仕入れて出荷するならば、何のための特区制度なのか」と厳しく批判した。


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2017年03月18日土曜日


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