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<最後の卒業生>避難所になった母校「忘れない」

下級生らを前に別れの言葉を述べる永沼さん

 本年度で閉校する石巻市大須小(児童5人)で17日、最後の卒業式があった。唯一の卒業生永沼未帆さん(12)は東日本大震災で被災し、仲間や先生、家族らに見守られ成長してきた。6年間の支えに感謝し、次の目標を胸に刻んだ。

 卒業式は体育館であり、永沼さんの母訓子(のりこ)さん(52)や住民ら約50人が出席。入学後の思い出の写真がスクリーンに映し出される。春に地元の山道を歩いた活動、運動会、キャンプ…。
 永沼さんは別れの言葉を述べた。「友達と過ごした時間の全てが宝物。いつも優しく、面白い先生方が大好き。地域の皆さま、お母さん、いつもありがとう」
 永沼さんは2011年、震災の津波で自宅を流された。避難所となった大須小で過ごしながら入学。自宅が再建された4年の途中まで、校舎に近い仮設住宅で生活した。放課後は先輩や後輩とドッジボールや缶蹴りをして遊んだ。
 訓子さんは「低学年の時は我を通すところがあったけれど、5年のころから『先輩みたいになりたい』と自覚が出てきた」と話す。
 6年になった永沼さんは最後の学習発表会で、4人の下級生と力を合わせて劇「寿限無」を披露。会場から大きな拍手が起きた。
 少子化や震災の影響などで大須小と大須中、雄勝小と雄勝中は本年度で閉校する。大須小と雄勝小、大須中と雄勝中がそれぞれ統合され、新たな小・中併設校が同市雄勝町にできる。
 永沼さんは「母校がなくなるのは悲しい。でも、思い出は忘れない。自分の可能性を信じて歩んでいく」と誓う。菅原佳江校長は「柳のようにしなやかに、竹のように真っすぐ生きてほしい」とエールを送った。


2017年03月18日土曜日


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