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<杜の都のチャレン人>取材・編集1人で担う

「相手の思いにどれだけ沿うか、それとも距離を置くか。取材のたびに迷う」と話す相沢さん=仙台市宮城野区

◎宮城をテーマに写真雑誌を創刊 相沢由介さん(36)

 「こんな雑誌を待っていた、という感想もあった。うれしいですね」。望外の反響に笑みがこぼれる。
 宮城をテーマに取材、執筆、編集、レイアウトなど全てを1人で手掛けた写真雑誌「IN FOCUS」。創刊号の表紙は印象的だ。のみ跡が荒々しい「釜神」を配した。暗闇からぬっと出てきたようなインパクト。「名刺代わりだと思ってこだわりました」
 東日本大震災で津波被害を受けた自宅をスケートパークにした若者、郷土の地名を調べる研究者、結婚相談所の女性経営者−。雑誌に登場する人々はバラエティーに富む。暮らしの中で出会ったり、読んだ本や雑誌から自分の感性に引っ掛かったりした人を選んだ。
 ジャーナリズムに強い興味があったわけではない。大学中退後、仙台市内にある中学生対象の模擬テストを作成・実施する会社に入った。将来のことを考えるでもなく「のほほんと」暮らしていた時、事業縮小する会社の方針により退職を余儀なくされた。
 この先どう生きていけばいいのか。迷いの中で出合ったノンフィクション作家佐野真一さんの本に衝撃を受けた。自己を見つめ直す過程で湧き上がってきたのが、取材をしたいという衝動だった。
 具体的な作業に入ったのは2015年10月。雑誌の作り方など全く知らないところからのスタート。パソコンソフトと悪戦苦闘しながら作業の一つ一つを覚えていった。昨年10月、1年の作業日数と予算15万円を費やし、雑誌はついに完成した。
 「どう扱っていいのか分からない。捉え切れないものがあるんです」。1冊を作り上げた今、反省が先に立つ。取材に時間をかけ過ぎることも課題だ。
 現在、アルバイトをしながら第2号の準備中だ。1冊全体で何を語るか。構想が頭の中を駆け巡る。(や)

<あいざわ・ゆうすけ>80年滝沢市生まれ。石巻専修大中退。仙台市内の教材会社退社後、フォトジャーナリズムの世界を志す。「IN FOCUS」の誌名は、米総合雑誌の名コーナーから取った。仙台市青葉区在住。 あいざわ・ゆうすけ 80年滝沢市生まれ。石巻専修大中退。仙台市内の教材会社退社後、フォトジャーナリズムの世界を志す。「IN FOCUS」の誌名は、米総合雑誌の名コーナーから取った。仙台市青葉区在住。


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2017年03月18日土曜日


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