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<手腕点検>最年少41歳光る行動力

市民綱引き大会に参加した山田市長(中央)。笑い顔がトレードマークだ=2月5日、市ホワイトキューブ

◎2017宮城の市町村長[31]白石市 山田裕一市長


 白石市の山田裕一市長(41)は県内最年少の市町村長。昨年11月に就任し、滑り出しは順調のようだ。
 2020年東京五輪に向け、ベラルーシの新体操チームの事前合宿の誘致に柴田町、仙台大と共同で成功した。仙台大が持つスポーツ人脈、新体操が盛んな白石の土地柄がかみ合い、県内で初めて事前合宿の誘致が正式決定した。
 「一過性にせず、ベラルーシとの交流を深め、歴史と文化がある白石の魅力を最大限発信したい」。仙台大で2月にあった記者会見で、山田氏は力を込めた。
 実家は市内のクリーニング店。若くして政治を志し、31歳で市議に初当選。「県議を経て市長」と目されたが、昨年6月に当時の風間康静市長が引退を表明。市議を3期途中で辞して10月の市長選に挑み、新人同士の一騎打ちを制した。

<公約実現へ着手>
 市議時代は自民党県連の青年組織で活動。議員から首長に転じた須田善明女川町長のほか、知事選で選車隊長を務めるなど村井嘉浩知事にも近い。
 就任直後から積極姿勢。昨年12月の市議会で女房役の副市長の交代を決断。定例記者会見も前市長の年4回から月1回に増やした。
 市長選の公約では、東北自動車道のスマートインターチェンジ設置を今年1月、石井啓一国土交通相に要望。市の17年度予算に調査費を盛り込んだ。道の駅、子どもの屋内遊び場との一体的な整備を模索する。
 「行動力と情報収集力はさすが」と評価するのは07年市議選の初当選組、佐久間儀郎議長(65)。一方で「はっきり物を言い、同僚に反発される場面もあった。自分なりの計算があってのことだろうが、トップとして度量の広さを身に付けてほしい」と注文する。
 一條一平後援会長(48)は「自分の信念を絶対に曲げてはいけない。矛盾するが、人の話に謙虚に耳を傾けることだけは忘れないでほしい」と戒める。温泉旅館の経営者としても、「農業と観光、女性参加が白石活性化の鍵。戦うべきは政策だ」とハッパを掛ける。

<厳しい経営続く>
 人口減少に歯止めがかからず、3万5000割れ目前なのが「仙南の雄」と称された市の実態だ。課題山積の中で「公立刈田総合病院の問題を解決しないと前に進まない」(斎藤昭白石商工会議所会頭)のが関係者の共通認識だ。
 刈田病院は医師不足で厳しい経営が続く。市は17年度、一般会計から16億860万円を病院を管理する組合に繰り出す予定。一般会計の10%に上る繰り出し金を圧縮しなければ、公約を実現できず、比較的健全だった財政の危機が迫る。
 山田氏は東北大病院をはじめ仙台圏の基幹病院に何度も足を運び、常勤医の派遣を要請。仙南で同規模のみやぎ県南中核病院との連携を打ち出すが、明確な処方箋はまだない。
 大量出血を止めつつ、カンフル剤を打つ。そんな迅速で正確な手腕が、1年目から試されている。
(白石支局・瀬川元章)


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2017年03月19日日曜日


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