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<いのちの教科書>震災の教訓 1000年伝える

完成した教科書を手にする生徒ら=宮城県女川町

 東日本大震災で被災した宮城県女川町の女川中卒業生らが自らの被災体験や教訓をつづった「女川いのちの教科書」が完成し、18日、町内で完成式が開かれた。合言葉は「1000年後の命を守る」。今春、高校を卒業し、それぞれの道を歩むことになる生徒たちは「これからも活動を続けたい」と震災の教訓を伝え続ける誓いを新たにした。

 教科書はB5判63ページ。社会科や理科、国語、道徳といった教科になぞらえた章などで構成、震災時の出来事や津波の歴史、津波のメカニズムなどを盛り込んだ。300部を製作し、母校や近隣の中学校に配布する。
 生徒が古里を襲った津波と向き合うようになったきっかけは震災直後の社会科の授業。阿部一彦教諭(50)=現・東松島市矢本二中教頭=が教室のカーテンを開け、変わり果てた町の全景を見せて問い掛けた。「女川が大変なことになった。これまで学んだことをどう生かせばいいか考えてみよう」。以来、生徒たちは授業を利用し津波対策案を練った。
 中学2年のとき、仲間の一人が「命を守る手だてを順番に学べる教科書が必要だ」と提案し、教科書づくりに取り組み始めた。中学卒業後は有志による「女川1000年後のいのちを守る会」が活動を引き継ぎ、3年間で107回の会合を重ねた。
 「守る会」会長の阿部由季さん(18)は「(教科書は)重みを感じる。みんなで一生懸命考えた教科書で命を守れたらいい」と話した。阿部教諭は「教科書を作って終わりではない。これからどのように活用していくかが大切」と助言した。
 教育現場に広く教科書を届けるためホームページで寄付を募っている。アドレスはhttp://senneninochi.coolblog.jp/


2017年03月19日日曜日


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