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<受動喫煙対策>庁舎、東北各県ばらつき

岩手県庁にある空気清浄機を備えたプレハブの屋外喫煙室。昼食時間帯には喫煙者の職員で行列になる

 厚生労働省が2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて検討する受動喫煙対策を巡り、東北各県が対応を迫られている。対策案は官公庁の建物内禁煙を義務付ける内容。屋内の喫煙場所は撤去が必要となるが、県庁舎や県議会棟の事情は各県によってばらつきがある。五輪の事前合宿誘致の本格化を前に、専門家からは「官公庁は分煙ではなく完全禁煙が当たり前」との指摘も出ている。

 東北6県の県庁本庁舎と県議会棟の喫煙所の設置状況は表1の通り。庁舎内に喫煙室があるのは福島だけで、他の5県は12年までに建物内を禁煙とし、敷地内に屋外喫煙所を設けている。
 県議会棟は県庁舎と比べ、喫煙に寛容だ。青森、岩手、秋田、宮城は屋内に喫煙室を用意。福島は会派ごとの判断で控室内で喫煙できる。山形は15年4月に議会棟内を禁煙とし、屋外喫煙所を設置した。それぞれ議会の判断で決めている。
 厚労省が昨年10月に示した受動喫煙防止対策案は、官公庁や福祉施設を建物内禁煙とし、喫煙室の設置を認めていない。医療機関や小中学校は敷地内禁煙を罰則付きで義務付ける。
 東北大環境・安全推進センターの黒沢一教授(産業医学)は「県議会棟だけが特例的に屋内で喫煙できる状態は許されない。官公庁は社会に範を示す意味でも率先して敷地内禁煙を進めるべきだ」と指摘する。
 東北の喫煙率は全国と比べて高い。厚労省によると、13年の都道府県別喫煙率は表2の通り。5県が10位以内に入り、全国平均21.6%を下回るのは山形だけだ。
 禁煙支援に取り組む盛岡市のNPO法人「サービス・フォー・ヘルス」の佐々木茂喜理事長は「売り上げに影響する飲食店とは違い、官公庁の完全禁煙はトップの決断一つでできる」と強調。「受動喫煙による健康被害はもはや常識。行政が先頭に立って禁煙の機運の醸成を図るべきだ」と求める。


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2017年03月20日月曜日


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