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<震災6年>絆再生へともだちカレーで応援

参加者とカレー作りを楽しむセイエドさん(左)=12日、陸前高田市

 カレーを作って、傷ついた地域の絆を取り戻してほしい。パキスタン出身で仙台市泉区の輸入業タヘル・セイエドさん(49)が、東日本大震災の被災地で炊き出しを精力的に続ける。被災者に積極的に準備してもらう活動で、その名も「ともだちカレー」だ。
 震災七回忌翌日の12日、セイエドさんは岩手県陸前高田市の災害公営住宅下和野団地で、古里仕込みのカレーを大鍋に二つ作った。呼び掛けに応じた入居者が材料の下ごしらえと集会所の設営を手伝い、子どもから高齢者まで約50人が香ばしいカレーとナンを頬張った。
 震災が起きた2011年は名古屋市で家族と暮らしていた。直後、単身で東北に入った。岩手県一関市を拠点に復興支援に取り組む東京の財団法人「連帯東北・西南」に参加し、本場のカレーを生かそうと考えた。
 「こっちからの一方通行じゃなく、被災者自らが準備し、みんな友達になってもらおう」。財団の佐多保彦代表と意気投合し、各地の仮設住宅で「ともだちカレー」を重ねた。昨年の熊本地震でも現地に赴いた。
 セイエドさんは現在、家族と共に仙台市泉区に暮らす。4月に千葉県浦安市に引っ越すため、12日は東北を離れる前の最後の炊き出しとなった。
 手伝いに来た高校2年の長男アタハルさん(17)が「父の行動を理解できないこともあったが、皆さんの笑顔を見て納得できた」とあいさつすると、会場は拍手に包まれた。
 「自分を家族のように思ってくれる人たちをこれからも助けたい」とセイエドさん。少しでも被災者の孤立をなくそうと、これからも沿岸を訪れ「ともだちカレー」を続けるつもりだ。


2017年03月22日水曜日


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