広域のニュース

<公示地価>被災地 人口減の影響鮮明

 【解説】国土交通省が21日発表した公示地価は、東日本大震災の移転需要が沈静化する中、沿岸被災地が抱える人口減や高齢化の影響が顕在化しつつあることを浮き彫りにした。
 石巻市と塩釜市は各2地点で、価格が上昇から下落に転じた。下落地点が出たのはともに4年ぶり。国交省地価調査課の担当者は「市街地から離れ、震災前から人口減や高齢化が進む地域。移転需要で一時的に上がったが、もともとの宅地需要は低い」と説明する。
 商業地の場合、外国人観光客の急増で大都市圏を中心に店舗やホテルの用地需要が高まり、地価の押し上げ要因となってきた。東北に関しては、震災や東京電力福島第1原発事故の影響が相まって波及効果は限定的だ。
 2016年に東北を訪れた外国人宿泊者は約72万人で全体の1%。投資の動きが大都市から地方の観光地へと広がる中、仙台市以外の地域で投資意欲を刺激する動きは乏しい。
 政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に、東北の外国人宿泊者数を150万人に増やす目標を立てる。過疎化が進む被災地で、交流人口の拡大は地域経済の復興に欠かせない視点だ。国、自治体、民間が連携し、被災地経済の活性化に結び付ける取り組みが待たれる。(東京支社・片山佐和子)


関連ページ: 広域 政治・行政

2017年03月22日水曜日


先頭に戻る