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<気仙沼漁船転覆>復興担う家族…無事を祈る

仲間の漁船にえい航され、宿舞根漁港の岸壁に接岸された「第1信盛丸」=23日午後5時10分ごろ、気仙沼市唐桑町

 宮城県気仙沼市沖で小型漁船「第1信盛丸」が転覆して乗っていた1人が死亡、2人が行方不明となった事故で、同船が所属する宮城県漁協唐桑支所(気仙沼市)は23日、海域の捜索や転覆した船のえい航など対応に追われた。漁協幹部は「東日本大震災からの浜の復興を担う家族。行方不明の2人が無事見つかってほしい」と沈痛な表情を浮かべた。
 唐桑支所によると、行方不明となっている菅野和享(やすたか)さん(59)はカキやワカメを育てる3代続くベテラン養殖業者。6人家族で、唐桑支所の運営委員も務める。
 行方不明の大宮拓人さん(24)は震災後に和享さんの三女と結婚し、養殖に従事。死亡した長女早央里(さおり)さん(30)は仙台市にいたが、今年実家に戻り、手伝い始めたばかりという。
 震災で自宅や加工場、養殖いかだが全て被災した。菅野さん家族は養殖の再開に努めながら、自宅をボランティアの宿泊場所として開放。2012年には民宿に衣替えし、宿泊者に養殖体験してもらうなど浜の復興を盛り上げてきた。
 今季の唐桑地域のワカメの刈り取り作業は今月初旬に始まり、菅野さんも21日に1回目の刈り取りをしていた。数日前には養殖仲間に「まだワカメ取らないの」と話し掛けていた。
 転覆現場近くでワカメの刈り取りをしていた養殖業者からは「突風が吹いた」との情報もあるという。
 県漁協唐桑支所は対策本部を設置。24日も仲間の漁船が捜索に当たる。
 畠山政則運営委員長(62)は「信盛丸は支所の養殖用船の中で2番目に大きい。養殖いかだがある付近は浅い沖合で波が高くなりやすいとはいえ、転覆するとは思わなかった」と言い、「菅野さんは寡黙だが行動で示す頼れる仲間。菅野さんと大宮さんは何とか無事に見つかってほしい」と祈るように話した。


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2017年03月24日金曜日


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