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<検証 青函第2幕>人の流れ活発 効果大

東北との広域観光や函館の街づくりについて語る工藤市長

 青森県と北海道南地域連携の要を担ってきた函館市。北海道新幹線の開業は人気の観光都市に何をもたらしたか。2年目以降を「ポスト新幹線元年」と表現し策を練る工藤寿樹市長に、26日で1年を迎える開業の成果と、東北との広域連携を含めた誘客戦略を聞いた。(聞き手は青森総局・辻本まり)

◎北海道新幹線開業1年 工藤寿樹函館市長に聞く

 −開業1年の手応えは。
 「青函トンネルを行き来するJRの利用客が在来線時代の約1.7倍と、大幅に増えた。とりわけ東北、北関東からたくさん来てもらえるようになった。人の流れが活発化し、大きな効果があったと受け止めている」
 「北陸新幹線の開業時は小松空港の利用客数が大幅に減少したが、函館空港は前年並みを保っていることも特徴だ。フェリーの利用客数も伸び、相乗効果で全て順調だった」

 −函館市への観光客も大幅に増えている。
 「五稜郭タワーや函館山ロープウェイといった市内の主要観光施設は、いずれも開業前と比べて入り込み客数が10〜30%以上増加した。市全体の入り込み客も通年で550万人台に上る見込み。新駅(木古内駅)がある木古内町などもにぎわい、道南一帯で効果があった。首都圏で函館と東北を組み合わせた旅行商品が多く売られ、われわれにとって良い1年だった」
 「インバウンド(訪日外国人旅行者)も好調。開業後は欧米客が増えてきた。大型連休や夏場は宿が全く取れず、苦情が出るほど。取りこぼしがあると言われることも。ホテルも飲食店も稼働率は上がったが、人手が足りず十分に回せないのが課題だ。青森と同じで函館も冬場は国内客が遠ざかるが、インバウンドは来てくれる。ようやく通年観光に近い形ができてきた」

 −2年目以降、どう誘客を図るか。
 「地域の垣根を越えて連携していく。函館は道内以外に埼玉、宇都宮など関東地方との連携も始めている。東北なら仙台空港、花巻空港などと手を組み、出入りのパターンを増やしたい。東北に目を向けさせ、観光にとどまらない流れをつくりたい。函館、青森、盛岡、仙台、東京など東日本を巡る広域観光のルートづくりも、各地のリピーター定着につながる」
 「今後は観光客争奪合戦がさらに激しくなる。函館単体では人集めの仕掛けを重ね、見るたびに進化していると思わせ続けなければいけないし、来てもらえる街にすることが一番。これからは『ポスト新幹線元年』。もう過ぎてしまった新幹線開業を喜んでいる時期ではない。滞在型観光を提供して交流人口を拡大し、深刻な人口減にも対応する」


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2017年03月24日金曜日


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