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<宮城交通>25年ぶり値上げ 運転手不足響く

仙台市内を走る宮城交通の路線バス。仙台市バス(後方)とは運転手の待遇に差があり、人手不足が慢性化している

 宮城交通(仙台市)とミヤコーバス(同)は2月、国土交通省に路線バスの運賃引き上げを申請した。認可を得られれば7月1日から平均で約7%値上げする。消費税率変更に伴う改定を除けば25年ぶりとなる値上げの背景には、慢性化した運転手不足がある。常時募集を続けるが、競合する仙台市交通局との待遇差もあって採用は進まず、経営に悪影響を与えている。(報道部・安住健郎)

<1日10人が不足>
 仙台市太白区の宮城交通仙台営業所。バス73両、運転手約90人の同社最大規模の営業所だが、小梨寛文助役(43)は運転手不足という深刻な悩みを抱える。
 所内の掲示板に翌々週の不足分を張り出す時はいつもゆううつだ。「1日当たり10人前後足りない。休日を返上してくれる社員を募るしかない」。集まらなければ貸し切りバスの運転手を当てる。内勤の運行管理者はもちろん、営業所ナンバー2の小梨助役が駆り出されることもある。
 「あと10人ほど運転手がいると助かるんですけどね」と小梨助役。加藤悟司取締役総務部長は「運転手不足は全営業所に共通する悩み」と打ち明ける。
 宮交グループの運転手は現在約1000人。2012年のピークから約1割減った。平均年齢は50歳前後と高齢化が進む。
 路線バス運転に必要な大型2種免許取得費用の貸与など支援制度を拡充しているが、採用者数は年々減っている。営業エリアがかぶる市交通局との給与格差が一因だ。

<年収は6〜7割>
 市交通局によると、市バス運転手の平均年収は約690万円(平均53.7歳)。宮城交通は「その6〜7割程度」(加藤取締役)にとどまる。「市から30億円の補助金が入っている交通局とは土俵が違う」と幹部からは恨み節も聞こえる。
 運転手不足は経営に暗い影を落とす。路線バスは少子高齢化と人口減で利用者が減少し、赤字が続く。これまでは高収益の高速バスや貸し切りバスの利益で穴埋めしてきた。
 近年は運転手不足で頼みの貸し切りバスなどが思うように運行できない。12年に約70%だった貸し切りバスの稼働率は16年に約25%まで低下。高速バスは14年度に成田空港線や大阪線などを相次いで運休させた。
 宮交は路線バス値上げによる増収を運転手の待遇改善や新車両への投資に充てる方針。値上げを巡り、国交省が仙台市で8日に開いた公聴会の席上、同社の青沼正喜社長は「被災地を含めたお客さまに負担増を強いるのは申し訳ないが、地域の足を守るためにご理解いただきたい」と訴えた。


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2017年03月29日水曜日


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