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津波の木碑 岩手・大槌で初の建て替え

建て替えられた木碑と吉田さん=11日、岩手県大槌町安渡

 東日本大震災で被災した岩手県大槌町安渡(あんど)地区で、津波の教訓を刻んだ木製の碑が建て替えられた。高校生と住民が津波の到達点に2013年3月に設置し、記憶の風化を防ごうと4年ごとに作り直す取り組み。発案者で千葉科学大2年の吉田優作さん(20)は「初の建て替えが終わり、ほっとした。津波は避難すれば助かることを後世に伝えたい」と思いを新たにする。

 吉田さんと大槌高生約15人、住民らによる建て替え作業は11日にあった。新しい木碑の正面には、これまでと同じく「大きな地震が来たら戻らず高台へ」と刻み、墨を入れた。
 側面には大槌高生が中心となって考えた「誰かの命を助けたいなら 代わりのない自分から」などの文言を記した。設置後、震災発生時刻の午後2時46分に全員で黙とうした。
 吉田さんは中学2年時に震災を経験。自宅が流され、親戚を亡くした。町の犠牲者は関連死を含め1285人に上る。悲劇を繰り返すまいと碑の建立を決意した。
 地区の協力を得て、定期的な建て替えが必要となる木碑を完成させた。当時は大槌高1年。今回も後輩たちに声を掛け、住民と一緒に新たな碑作りを進めた。
 同地区の小国忠義さん(76)は「高校生の真剣な表情を見て頼もしく感じた。世代を超え、将来のために教訓をつないでいってほしい」と期待する。
 吉田さんは「設置から4年たち、自分の中でも当初の思いが薄れている部分があった。建て替えを1人で続けるのは厳しい。仲間をつくり、高校生に継続して参加してもらう仕組みが必要だ」と話す。


2017年03月29日水曜日


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