広域のニュース

<高浜原発再稼動>東北 揺れる司法に困惑

 関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認める28日の大阪高裁決定を受け、東京電力福島第1原発事故の被災地を抱え、原発2基が再稼働を計画する東北の関係者は不満と安堵(あんど)を交錯させる一方、揺れる司法判断に複雑な表情を見せた。
 福島県浪江町の農業大倉満さん(67)は、原発事故から6年が過ぎた今も本宮市の仮設住宅で避難生活を送る。「残念だ。地裁で住民の意見をくみ取ってもらえても上級審は国の意向が影響するのだと思う。避難者の苦しみを分かってもらうのは難しい」と嘆いた。
 国の新規制基準の妥当性に疑義を呈した昨年3月の大津地裁決定から一転、関電側の主張を全面的に認めた。脱原発東北電力株主の会代表の篠原弘典さん(69)は「原発事故の現実を踏まえていない。司法への期待が裏切られた」と憤る。東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に反対する立場から「諦めず訴え続けるしかない」と話した。
 建設中の電源開発大間原発(青森県大間町)に対しては、津軽海峡の対岸の北海道函館市が建設中止を求めて係争中。大間町の金沢満春町長は「再稼働を認める判断が出たことは評価できる」と歓迎しつつ「規制委は専門的見地から稼働を判断している。司法は何を基準にしているのか」と、原発の稼働を左右する「訴訟リスク」に疑問を示した。
 女川町の須田善明町長は「新基準は大規模災害の知見を反映して厳格な安全性を求めている。女川原発も審査をしっかりやっていただきたい」と述べた。
 東北電は「今後も審査対応と安全対策を着実に進め、地域の理解を得られるよう努めたい」との談話を出した。


関連ページ: 広域 社会

2017年03月29日水曜日


先頭に戻る