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大船渡の仮設店舗 14%再建先「未定」

被災者の事業継続を支えた仮設店舗。今月末に貸与期限を迎える

 東日本大震災で被災した岩手県大船渡市で今月末、一部を除いて仮設店舗や事業所の入居期限を迎える。岩手県沿岸部の自治体で最も早く、今月中旬時点で入居事業者の14%が再建するかどうか決まっていない。復興事業による基盤整備が終わらない中、商業者から期限延長を市に求める声も出ている。
 市によると、仮設施設の入居事業者は187。このうちテナントを含めて108事業者(58%)が自力再建し、42事業者(22%)が施設の無償譲渡を受け、事業を続ける。一方、10事業者(5%)が廃業し、27事業者(14%)は未定だという。
 未定としている飲食店主(63)は市中心部で進む土地区画整理事業地内で借地を探すが、見つからない。工事は2018年度まで続く。「まちがどうなるか分からず、地権者は様子見している」と話す。
 仮設施設の貸与期限は自治体が設定する。大船渡市は原則、一律で今月末とした。ただ、市有地の商業エリアに4月下旬開業予定で、工事が遅れている商業施設に入居する事業者などは期限後1〜2カ月の入居を認めている。
 市商工課の担当者は「仮設は再建するための力を蓄える期間で、いつまでもということはできない。入居を延ばしているうちに、グループ化補助金などの支援制度が終了しては大変だ」と強調する。
 後継者不足などから再建に踏み切れない事業者のため、市は仮設施設の無償譲渡という選択肢を用意したが、地権者の同意が得られないケースがある。仮設施設を集約する案は、用地の選定や固定客離れの懸念があって難しいという。
 仮設施設の撤去費用負担を19年3月まで延長する国の方針を踏まえ、陸前高田市、岩手県大槌町などは入居期限を延ばした。復興事業の進み具合をみて設定する県内自治体もある。
 大船渡市の仮設施設で美容室を営む今野陽子さん(70)は土地区画整理事業地内で再建するが、建物の完成は17年度の計画だ。
 今野さんは「市は市有地に建つ商業施設に注力しているように見える。自立意思がある事業主まで一律に切るのではなく、実情に合わせてほしい」と語り、施設内の入居者と共に利用延長を求める。


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2017年03月30日木曜日


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