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<さくらモール開業>再生へ官民一丸

全面開業した「さくらモールとみおか」のヨークベニマルに入店する買い物客=30日午前10時25分ごろ、富岡町小浜

 東京電力福島第1原発事故の避難指示が帰還困難区域を除き4月1日に解除される福島県富岡町に30日、複合商業施設「さくらモールとみおか」が全面オープンした。帰還環境の整備を急ぐ町の要請に応え、スーパーなど流通2社が新たに出店を決断。官民が連携して地域再生を目指す。

 「お帰りなさい、ふるさとへ」
 午前10時半、新たに出店したスーパー「ヨークベニマル新富岡店」が出迎えののぼりを立ててシャッターを開けた。待ちわびた住民や復興関連の作業員が総菜やすしを次々と買い込んだ。
 ヨークベニマル(郡山市)は避難区域で初の再出店。商圏人口は回復しておらず、赤字覚悟の出発となった。パート従業員の確保も苦戦。時給を上げ、チラシを1万枚まいたが、応募1人ということもあった。
 式典のあいさつで大高善興会長は「命をつなぐ食品を地域の皆さまに提供するのが真のライフライン」と述べ、地元スーパーの役割を強調した。
 ドラッグストア大手のツルハホールディングス(札幌市)の店舗もオープンした。原発事故前、富岡町内には2店あった。鶴羽順社長は「お世話になった恩を少しでも返したい。帰還した町民の皆さまの生活の支えになりたい」と述べた。
 町は商業施設整備に強い決意で臨んだ。地元の双葉郡全体の復興を引っ張るためにも、仮設商店ではなく、本格的な商業施設が欠かせないと考えてきた。
 商圏が消失した影響は大きく、テナント誘致は難航。出店料の一定期間免除や器具備品の貸与を打ち出して出店を働き掛けた。
 もともとあったショッピングセンターに放置されていた大量の商品を撤去し、建物建設に本格的に着手できたのは昨年7月だった。
 さくらモールは交流、居住人口の拡大への期待を背負う。町産業振興課は「モールでのイベント実施のほか、企業誘致などを通して定住人口の増加を図り、商業施設の利用者増につなげたい」と説明する。


2017年03月31日金曜日


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