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<鳥インフル>なぜ3月に 首かしげる現場

約22万羽の殺処分など宮城県による防疫措置が実施された養鶏場。周辺にはため池が点在する=栗原市

 宮城県栗原市の養鶏場で確認された高病原性鳥インフルエンザを巡り、関係者から「なぜこの時期に発生したのか」といぶかしむ声が上がっている。宮城県内の渡り鳥の北帰行がピークを過ぎ、感染リスクは低くなったとみられていた。感染経路の特定は困難とされ、農林水産省や県などは警戒を続けている。

 栗原市の養鶏場で死ぬニワトリの羽数が増え始めたのは3月21日。23日に業者が県に通報し、遺伝子検査で陽性が確定したのは24日未明だった。一つのケージに8羽前後が入っていたが、全羽に感染が拡大して死んだ状況ではないという。
 高病原性鳥インフルエンザウイルスが家禽(かきん)に感染する場合、一般的に国外から飛来した渡り鳥と何らかの形で接触した小型野鳥、ネズミやイタチなどの小動物などが鶏舎に侵入し、ウイルスを持ち込む可能性などが考えられている。
 今シーズン、東北に飛来した野鳥などによる鳥インフルエンザの発生状況はグラフの通り。1月に確定した14件中、11件は昨年12月中に死骸が回収された。環境省野生生物課の担当者は「例年のピークは1月だが、今季は少し早かった」との見方を示す。
 県伊豆沼・内沼環境保全財団(栗原市)によると、両沼周辺の渡り鳥などは24日現在で993羽。今季のピークだった1月末の約1%まで減り、小型野鳥や小動物が渡り鳥と接触する機会は少なくなっている。
 同財団の嶋田哲郎上席主任研究員は「仮に鳥のふんから感染するにしても、ふんをする鳥がそもそも少ない。1月や2月の発生なら分かるが、なぜ3月だったのか」と首をかしげる。
 農水省の調査では、栗原市の養鶏場出入り口の車両消毒、従業員の衣服や長靴の着替えは徹底されていた。だが、鶏ふんを外に搬出するベルトコンベヤー付近に小動物が侵入可能な隙間が見つかり、鶏舎内にはネズミなどのふんがあった。
 同省によると、3月以降に家禽の感染が確定した例は2011年3月13、17日にいずれも千葉市、14年4月に熊本県であった。同省動物衛生課の担当者は「宮城は比較的遅い時期の発生だったが、リスクは残っている。4月までは注意が必要だ」と呼び掛ける。


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2017年04月02日日曜日


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