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東北の地銀 証券子会社開設の動き

営業開始に先立ち、七十七証券の関係者らが本店前でテープカットした=5日午前8時55分ごろ、仙台市青葉区

 東北の地方銀行で証券子会社をつくる動きが出ている。七十七銀行は「七十七証券」を設立し、仙台市内で5日、営業を開始。東邦銀行は昨年4月、「とうほう証券」を開設させた。出口の見えない低金利時代、利回りに優れた資産運用を求める顧客が増えたことに加え、地方を覆う人口減で本業の収益力の維持が厳しい事情が背景にある。

 「資産運用のニーズは多様化している。希望に合う金融商品の情報を丁寧に提供したい」。青葉区の七十七証券本社前で5日、テープカットに臨んだ鈴木勇社長は意気込みを語った。
 同社の業務は、七十七銀から紹介を受けた顧客への販売が中心。株式や投資信託、国内外の債券など専門性の高い金融商品を扱う。2019年度には預かり資産残高1000億円、単年度黒字化を目指す。
 とうほう証券は4支店1営業所体制でスタート。営業企画部は「滑り出しは順調。ミドルリスク・ミドルリターンの商品を中心に販売が伸びている」と話す。利用客の多くは東邦銀の紹介で来店する。顧客からは「大手の証券会社より相談しやすい」と好評だという。
 地銀の証券子会社設立は全国で相次いでおり、七十七銀は19行目。本業は低金利で貸出金利息や有価証券利息が減り、マイナス金利政策で国債運用も難しい。
 七十七証券の鈴木社長は「金利差がない世界で銀行業を続けるのは厳しい」と説明。証券ビジネス拡大で手数料収入を確保し、利益につなげたい考えだ。
 大手証券会社にとっては新たなライバルとなる。ある支店担当者は「東北では地銀の知名度と信頼感が証券会社より高い」と警戒しつつ、「専門知識や情報量に大きな差がある」と冷静に構える。
 証券子会社設立の動きが東北で広がるかどうかは未知数だ。東北中位の地銀は、自行の可能性については否定的だ。「経営規模を踏まえると、人や費用を投じるメリットは少ないのではないか」(担当者)と話す。
 みずほ総合研究所の大木剛上席主任研究員は「銀行の顧客をつなぎ留め、さらに新規開拓する必要がある。専門知識の豊富な人材をそろえ、いかに顧客本位の提案ができるかが重要になる」と指摘する。


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2017年04月06日木曜日


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