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被災地の企業 キリバスの水没対策貢献へ

護岸の状況を調べる現地調査のメンバー=1月下旬(土木地質提供)

 地球温暖化の影響で国土が水没の危機にある南太平洋の島国キリバス共和国で、仙台市の建設関連会社2社が護岸工事の事業化に向け現地調査などを進めている。塩分を含んだ砂や海水でもコンクリートを造れる特殊技術を生かし、資源に乏しい島しょ国の防災への貢献を目指す。

 2社は、橋や道路などの点検会社ハシカンプラ(泉区)と地盤調査などの土木地質(同)。国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業(案件化調査)に共同提案し、昨年6月に採択を受けた。

 サンゴ礁でできた33の島々からなるキリバスは海抜平均が2メートル未満。温暖化の影響で高潮が頻発し、海岸浸食などの被害が深刻化している。世界銀行などの予測では2050年に国土の5〜8割が水没する恐れがある。
 しかし本格的な護岸工事は財政的に難しく、現在は土のう袋を積んだだけの状態。波にさらされ、崩れている場所も多い。

 両社が提案する工法では土木地質が開発した粉末固化剤「ハイデガス」をコンクリート材料に使う。一般的なセメントと違って塩分に強く、海岸の砂や海水と混ぜてもコンクリートを造れる。真水や土砂が貴重なキリバスでも材料を現地調達でき、コストを大幅削減できるという。

 昨年10、11月と今年1月下旬に実施した現地調査では、実際に現地の砂と海水でコンクリートを製造。強度などに問題はなく、キリバス政府から提示された護岸工事の候補地3カ所の測量も行った。4月15日に最後の現地調査を行い、候補地を1カ所に絞ってさらに調べた後、着工を目指す。

 ハシカンプラの渡辺元・社長が15年12月、キリバスの駐仙台名誉領事ケンタロ・オノさんから窮状を聞き、青年海外協力隊のOB仲間だった土木地質の橋本良忠前社長に共同事業を提案した。

 渡辺社長は「キリバスで事業を成功させ、周辺の島しょ国にも広げたい。現地の人たちだけで施工や補修ができるよう技術の指導にも取り組む」と話した。


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2017年04月12日水曜日


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