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津波犠牲者慰霊碑「氏名刻まれず」一部遺族訴え

福島県浪江町が請戸地区の高台に建てた津波犠牲者の慰霊碑

 福島県浪江町が沿岸部の高台に建てた東日本大震災の津波犠牲者を悼む慰霊碑を巡り、家族が町内で勤務中に津波にのまれた町外の一部遺族が「氏名が刻まれていない」と町に訴え出たことが分かった。町民以外では、町内で犠牲となった人のうち、たまたま把握した別の2人だけを記した。町は14日、配慮が欠けていたとして追加記載する方向で対応することを決めた。
 遺族は、福島県双葉町在住だった佐藤一夫さん(76)=いわき市=と同県富岡町に住んでいた吉田聖子さん(63)=二本松市=。佐藤さんの長男健一さん=当時(41)=と吉田さんの長女美紀さん=当時(35)=はともに、勤務していた浪江町の請戸郵便局で犠牲になったとみられる。
 慰霊碑は3月、町が建立した。表に津波の死者・行方不明者計182人の氏名を、裏に「災害は再びやってくることを忘れてはならない」と教訓を記した。
 町によると、182人のうち2人は当時の住所がいわき市と同県葛尾村。町民だけが対象予定だったが、参考にした犠牲者名の資料に記載があって加えた。他の町外犠牲者についての対応は検討しなかった。
 佐藤さんと吉田さんは月命日の今月11日、現地を訪れ、わが子の名前がないのを知った。「この地で犠牲になったのに、なぜ慰霊碑に入れてもらえないのか。ただただ悲しい」と嘆く。
 町によると、町民以外の犠牲者は他に2人おり、町は計4人の遺族の意向を聞いて追加記載などを進める方向。建立を担当した佐藤祐一介護福祉課長は「(町外の2人の記載を決めた段階で)同様の犠牲者がいないかどうか確認が不足していた。遺族の意向を踏まえて対応する」と説明した。


2017年04月15日土曜日


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