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気仙沼の復興協会 国の雇用事業終了で存続危機

不明者の手掛かりを探すボランティアと協会のスタッフ=11日、気仙沼市

 東日本大震災後、緊急雇用創出事業の受け皿としてボランティアの受け入れなどを担う気仙沼市の一般社団法人「気仙沼復興協会」の存続が危ぶまれている。国の緊急雇用創出事業が昨年度で終わり、活動資金の枯渇が見込まれるためだ。全国のボランティアの要望に応えて2017年度は自己資金で活動を続けるが、来年度以降の活動は不透明だ。
 震災から6年1カ月となった11日、復興協会は気仙沼市本吉町で行方不明者の捜索活動を行った。緊急雇用創出事業の終了を受けて協会の存続を議論する中、ボランティアの募集は見送り、参加したのはスタッフと常連のボランティアら計9人にとどまった。
 協会は市議らが発起人となって11年4月に設立。仕事を失った被災者らを雇用するため、がれきの撤去や被災した写真を持ち主に返す事業などを請け負った。
 協会によるとピーク時は80人を雇用。昨年度は気仙沼市の事業を受託し、補助金約4000万円で10人を雇った。ボランティアの受け入れ実績は延べ約2万6000人に上る。
 気仙沼市では今も約220人の行方が分からない。月命日にボランティアが参加して市内各地で実施する捜索活動では遺留品が見つかることもある。
 協会は来月以降も捜索活動を続ける方針を決めたが、スタッフは昨年度の10人から3人に減らす。3人の給与や活動資金は全国からの寄付金を充てるが、本年度中に底を突く可能性が高い。
 協会の捜索活動にボランティアとして30回以上参加している京都市の無職松尾典子さん(45)は「一人でも多くの行方不明者を見つけて遺族に届けたいと願うボランティアは多い。毎月、温かく受け入れてくれる場所は必要」と協会の存続を願う。
 協会はインターネットを通じて小口資金を募るクラウドファンディングの活用なども探る。協会の千葉貴弘事務局長(42)は「ボランティアの受け入れは市の交流人口の拡大にもつながる。実績を評価する声も多く、存続に向けて知恵を絞りたい」と話す。


2017年04月16日日曜日


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