岩手のニュース

「奇跡の復興米」を加工 酒やみそに商品化

大槌復興米を使った日本酒の仕込み作業

 東日本大震災の津波被害に遭った岩手県大槌町の住宅跡地で見つかった「大槌復興米」を加工・商品化する取り組みが広がっている。醸造業者らは、流れ着いた場所で塩害に耐えて実った「奇跡のコメ」を消費者にアピールしたい考えだ。
 遠野市の上閉伊酒造は2月、復興米で特別純米酒を仕込んだ。5月にも720ミリリットル入りを3000本販売する。
 上閉伊酒造社長の新里佳子さん(49)は大槌町出身。震災で両親を亡くした。「震災の時は被災した古里のために何もできなかった。大槌の名前が付いたコメで酒を造り、町の復興を発信したい」と語る。
 釜石市の藤勇醸造は昨年5月、「十割糀(こうじ)みそ」の原料を復興米に切り替えた。当面は以前に製造したみそとブレンドして販売し、1年後をめどに復興米へと完全に置き換える。
 復興米の稲穂は震災発生から半年後の2011年10月、大槌町安渡地区の菊池妙さん(76)が自宅跡地で発見した。地区内に水田はなく、津波で運ばれてきた種もみが芽吹いたとみられる。
 連絡を受けた遠野市のNPO法人遠野まごころネットが12年から栽培し、主に通信販売してきた。16年は4.5トンを生産。日本航空の機内食に提供されたこともある。
 菊池さんは「津波に耐えたか細い稲を見た時『命』を感じて涙が出た。奇跡のコメが姿を変え、さらに羽ばたこうとしている」と期待する。ネット副理事長の小谷雄介さん(49)は「各商品と復興米をセットにしたギフトも販売したい」と意気込む。


2017年04月16日日曜日


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