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<この人このまち>芸術表現通じ「生」問う

小野田豊(おのだ・ゆたか)1958年長野県生まれ。宮城教育大卒。宮城県内で小学校教諭を14年間務める。NPO法人黒川こころの応援団代表。2015年6月から現職兼務。連絡先は同応援団022(347)0028。

 「世間に知られていないが人の心に迫る作品を作る。そんな人たちの存在を知ってほしい」。宮城県大和町に2015年6月オープンした「にしぴりかの美術館」には小野田豊代表(58)の思いが凝縮されている。オープンから間もなく2年。小野田代表の思いに共感の輪が広がり始めている。(泉支局・北條哲広)

◎にしぴりかの美術館代表 小野田豊さん

 −オープンから2年がたとうとしています。
 「東北や関東を中心に来場者は2000人近くになりました。企画展も6回開催しましたが、まだまだ紹介したい作品が山ほどあります」
 −障害者の芸術を展示する美術館と言われませんか。
 「障害という言葉でくくると見る人の目を曇らせます。それ自体、もうアートではない。実際、そういうくくりでは作品を選んではいません」
 −では、どんな美術館でしょうか。
 「生きる。その事に本気で向き合った、あるいは向き合わざるを得なかった人たちを紹介する美術館です。人が『一人ひとり』であるように作品も『一つひとつ』。心を突き動かす作品ばかりです」
 −オープンの経緯を教えてください。
 「そもそもは1995年、引きこもりになった妻と共に歩むため、14年続けていた小学校の教員を辞めたことがきっかけです。妻と2人、精神障害と向き合いながら居場所づくりや子育て支援などにも取り組み、2003年2月にNPO法人を設立しました」
 「障害者支援活動でもアートに取り組んでいましたが、活動を通じて出会った多くの作品から、アートの力強さと可能性を教えられました。6年ほど前から、それらの作品をもっと見たいし、多くの人に見て知ってほしいと思うようになり、さまざまな人たちの支援を受けて美術館オープンにたどり着きました」
 −入場無料の美術館ですね。
 「一般的な美術館は作品購入に多額の資金を必要としますが、当館は作品をほぼ無償で借りているので入場無料でも成り立ちます。作品の貸与や企画、展示は東京都内にある精神科病院の造形教室が中心となって支えてくれています」
 −今後の方向性は。
 「美術館も障害者支援活動も居場所づくりが原点です。自分が自分のまま生きられる場所として発信を続けていきたい。展示しているのは、表現とは何か、芸術とは何か、深く考えさせられる力ある作品ばかりです。実際に見に来てください。きっと今までにない発見があるはずです」


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2017年04月24日月曜日


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