岩手のニュース

<動き出す中心市街地>民間主導にぎわい創出

駐車場に広く面した商業施設(中央)と、逆L字型の共同店舗(左奥)が整備されたJR大船渡駅周辺地区の商業エリア

 東日本大震災で壊滅的被害を受けた中心市街地が、再生に向けて動きだす。岩手県の気仙地区から、にぎわい創出の現状と課題を伝える。(大船渡支局・坂井直人)

◎岩手・気仙地区から(下)大船渡

 東日本大震災で壊滅的被害を受けた岩手県大船渡市のJR大船渡駅周辺地区。海側を海抜3〜4メートルにかさ上げした商業エリアが、熱気に包まれた。
 29日に本格オープンする商業施設のプレイベントが8、9の両日、現地で繰り広げられた。施設を整備するまちづくり会社キャッセン大船渡などの主催だ。人気ロックバンドの出演もあり、東北内外から計約8000人(主催者発表)が来場した。
 「街が動いた。きっかけを一過性に終わらせないため、自分たちが頑張らないと」。経営する飲食店が被災し、商業施設で再スタートを期す下舘博美さん(54)が力を込める。

<街区ごとに賃貸>
 中心市街地を再生させようと、市は民間主導のまちづくり会社がエリア全体のにぎわい創出を担う手法を導入。都市開発事業の実績がある大和リースと協力協定を結んだ。
 市は、津波復興拠点整備事業で造成した商業エリア(約10ヘクタール)を街区ごとに賃貸する。既にホテル、スーパー、ホームセンターなどが稼働している。小規模事業者は、まちづくり会社が整備する商業施設にテナントとして入居する。
 まちづくり会社は、市、大船渡商工会議所、大和リース、借地人などが出資して設立。市は、地代を安く抑える代わりに借地人が将来的に拠出する分担金で、まちづくり会社の事業資金を生み出したい考えだ。
 推進役を担う臂(ひじ)徹取締役(37)は「中心市街地を維持していくのが狙い。利便性、景観形成など空間の質を高めるとともに、購買促進効果のあるイベントをしていきたい」と説明する。

<共同店舗も開業>
 ただ商業施設への入居を巡っては、家賃、売り上げ状況の管理、休日などで考え方の異なる一部店主が離脱。独自に街区を借りて共同店舗「おおふなと夢商店街」を整備した。
 共同店舗を運営する協同組合理事長の伊東修さん(64)は「商店街はショッピングセンターとは違う。事業主同士で考えながら、目の前のことに一生懸命取り組みたい」と話す。
 共同店舗も29日にオープンする。人口減少や復興特需の先細りを見据え、身の丈にあった運営を目指す。
 商業者の中には、なじみの薄いまちづくり会社の役割を計りかねている人もいる。大船渡市の戸田公明市長は「いろいろな考えがあって当たり前。それを互いに克服し、同じ方に向かっていく中でさまざまな知恵が浮かぶ」と強調する。


2017年04月25日火曜日


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