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<復興相失言>被災地首長「2万人の犠牲者冒涜」

東日本大震災を巡る自らの発言について陳謝し、うつむく今村復興相=25日午後、東京都内のホテル

 今村雅弘復興相(70)=衆院比例九州、当選7回=は25日、辞任する意向を固めた。同日の自民党二階派パーティーで東日本大震災の被害に関し「まだ東北で良かった」と、被災者を傷つける発言をしたことの責任を取った。4日にも震災を巡り問題発言をしたばかりで、事実上の更迭となる。安倍晋三首相は今回の発言について陳謝したが、政権に打撃。後任には衆院震災復興特別委員長で自民党の吉野正芳氏(68)=福島5区、当選6回=を起用する方向だ。
 東北の被災地を深くおとしめる失言の責任を取って辞意を固めた今村雅弘復興相に対し、復興の現場に立つ自治体首長からは25日、「犠牲者への冒涜(ぼうとく)だ」「心が傷ついた」などと怒りの声が湧き上がった。
 桜井勝延南相馬市長は「震災で犠牲となった約2万人に対する冒涜だ。東京電力福島第1原発事故でも多くの人が避難を強いられており、許される発言ではない」と憤激した。
 今村氏は同日昼、被災した第三セクター三陸鉄道(宮古市)を支援する「三鉄オーナー」のオーナー証を受け取り、復興を後押しする姿勢をアピールした。その約6時間後のパーティーで「(震災が)東北で良かった」と言い放った。
 野田武則釜石市長は「被災地からも被災者からも離れ、中央から物事を見ている結果だ」と復興相としての資質を疑問視した。
 戸羽太陸前高田市長は「東北の人は不快な思いをしている」と被災者の声を代弁。平野公三岩手県大槌町長は「怒りを通り越して、悲しい」と語った。
 「東北を軽んじる印象を与える発言だった。復興に尽力してもらっていると思っていたのに、非常に残念だ」。村井嘉浩宮城県知事も発言内容に仰天した。
 須田善明宮城県女川町長は「復興への意気込みを感じていたからこそ、発言には戸惑いを禁じ得ない。なぜそのような言葉が出てしまったのか想像ができない」といぶかった。
 原発事故と向き合う内堀雅雄福島県知事は「地震、津波、原子力災害という複合災害で、今なお8万人近い県民が避難を続けている」と厳しい現実を挙げ、「被災地の実情を理解していない。県民を深く傷つけた」とコメントした。
 今村氏は22日、宮城県南三陸町を訪れ、新商店街やカキ養殖の現場を視察した。佐藤仁町長は「これから取り組んでほしい課題を伝えたところだった。残念だ」と語った。次の復興相について「被災3県の議員から選んでほしい。6年前の悲惨な光景を目の当たりにした大臣が、今だからこそ必要だ」と注文を付けた。


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2017年04月26日水曜日


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