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<復興相失言>「あきれた」被災者怒りと失望

東日本大震災を巡る自らの発言について陳謝する今村復興相。夜に辞意を固めた=25日午後、東京都内のホテル

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を巡る相次ぐ失言で批判を浴びた今村雅弘復興相が25日、辞任の意向を固め、東北の被災者からは怒りや失望の声が上がった。「被災地のことを分かっていない」。復興庁発足以来、復興相や幹部の言動が批判を招き、トラブルが相次ぐ。「次の大臣は東北を知る人に」との期待も聞かれた。

 岩手県釜石市の平田第6仮設住宅団地の自治会長を務める森谷勲さん(75)は「あきれて言葉にならない。許せない」と語気を強める。「災害はどこでも起きていいはずがなく、東北で良かったという認識が全く理解できない。辞任は当然だ」と話す。
 宮城県南三陸町歌津で水産加工業を営む及川吉則さん(51)は「被災地を軽く見ているのではないか」と落胆する。「町の復興は芽が出てきたばかり。大臣がころころ代わると事業も遅れる」と懸念を示した。
 石巻市の水産業の70代男性も「発言は本当に嫌になる。東北だからいい、人が少ないからいいということはあり得ない」と憤った。 「被災地のことを何も考えてない。辞めるのは当然だ」。津波で自宅が流され、父を亡くした仙台市宮城野区の無職男性(72)は腹立たしさが収まらない。
 原発事故で自主避難者の帰還は「本人の責任」との今村氏の発言は、撤回されても被災者には重く響く。
 福島県楢葉町から東京に避難する山内悟さん(62)は「被災者が先の見えない切実な思いを抱えているのに人ごとのよう。トップだと思うと情けない」と嘆く。原発事故で南相馬市から盛岡市に移った無職男性(66)も「心ない言葉。いろんな思いでみんな避難しているのに無責任すぎる」と怒った。
 「被災地ではいまだ立ち上がれない人がたくさんいる。大臣からは温かい言葉を聞きたいのに」と言うのは宮城県山元町の災害公営住宅で暮らす主婦沓沢ミエ子さん(78)。陸前高田市の仮設住宅で暮らし、震災の語り部活動を続ける釘子明さん(58)は「震災当初は東北の人が復興相になり一生懸命やってもらった。東北を知っていて、被災者に寄り添える人になってほしい」と次期復興相への期待を込めた。


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2017年04月26日水曜日


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