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<復興相交代>期待と不信交錯

復興相に就任し、記者会見に臨む吉野氏=26日午後、復興庁

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を巡る失言で辞任した今村雅弘復興相の後任に26日、吉野正芳氏(68)=衆院福島5区=が就任した。東北の被災者らは、いわき市出身で被災地を知る吉野氏に期待する一方、「地元だからといって変わるのか」と懐疑的な見方も少なくない。閣僚や幹部の失態が続く復興庁への信頼をどう回復するか。吉野氏の今後の言動を注視する。

 避難指示区域の福島県双葉町から、いわき市に避難する町行政区長会会長の石田翼さん(73)は「地元や原発事故のことを熟知している人で大いに期待できる。早くなってほしかった」と歓迎する。
 多くの福島県民が吉野氏に期待を寄せる一方、同県から県外への自主避難者らは不信感を拭い切れない。
 「地元出身の吉野氏は福島の状況を知っているはずだ」。いわき市から前橋市に自主避難する自営業丹治杉江さん(60)はそう述べながらも「6人も復興相が交代する状況では安心できない」と言う。自主避難者が帰らないのは「本人の責任」とした今村氏の発言を「差別や偏見を助長しかねない」とし、「被災者に向き合う姿勢が問われることを忘れないでほしい」と吉野氏に注文を付けた。
 同県浪江町から東京都町田市に避難し、同じ避難者を支援する団体の代表木幡四郎さん(69)は、避難先でいじめに遭った子どもや、避難者への国の支援が不十分だと指摘。「大事なのは被災地出身かどうかではなく、被災者一人一人の目線に立てるかだ」と強調した。
 宮城、岩手両県でも期待と不信が交錯する。
 自宅が全壊し、仮設住宅を経て新居を構えた石巻市の会社役員小坂享正さん(70)は「被災地の政治家は被災者と心の通った交流ができるはずだ」とみる。
 仮設店舗でたい焼き店を営む気仙沼市の小野寺悟さん(66)は「同じ東北人で、苦しみを分かってくれるだろう。被災地優先で考える大臣になってほしい」と語った。
 「被災地出身の人を大臣にして、不信を早く断ち切ろうという政府の思惑を感じる」と話す大船渡市の主婦三嶋あつ子さん(64)は今も仮設住宅暮らし。「何かしてほしいとは思わない。人の心を逆なですることはしないで」と望んだ。


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2017年04月27日木曜日


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