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<東北の道しるべ>人口減・高齢化へ対応

 人口減少や少子高齢化に立ち向かう手だてとして、「小規模多機能自治」が広がっている。従来より広域の地域運営組織が介護予防、子育て支援、自主防災、地域教育など多様な事業を展開。住民は「2枚目の名刺」でそれぞれの役割を担い、総力戦で地域課題の解決に挑む。
 「小規模多機能自治」が広まった背景の一つには、「平成の大合併」がある。広域化によって一律で公平な行政サービスが難しくなり「もう頼れない」と危機感を強めた住民たちが自ら動きだした。
 2004年に6町村が合併して誕生した島根県雲南市は、合併で課題となった地域力低下を克服するため、市内30地区に「地域自主組織」をつくった。おおむね小学校単位で設置された公民館を「交流センター」に改組し、活動拠点とした。
 このうち鍋山地区は市の水道検針業務を受託。委託料で地域住民を雇用して高齢者世帯の見守り活動も同時に行っている。唯一の小売店が閉店した波多地区は交流センターの一角でスーパーマーケットを運営し、高齢者ら買い物客を無料送迎している。人口減少や高齢化にも対応した自治モデルとして注目を集める。
 15年2月には雲南市、三重県伊賀市と名張市、兵庫県朝来市が発起人となって「小規模多機能自治推進ネットワーク会議」が発足した。東北からも平成の大合併を経験した平川市、一関市、登米市、栗原市、横手市、鶴岡市など14市9町(4月19日現在)が加盟している。
 ネットワークは小規模多機能自治を支える法人制度の創設を求める。任意の地域運営組織よりも、経営や事業の責任が明確になるというのが理由だ。
 16年1月、ネットワークは政府に提言書を提出。内閣府は同3月、有識者会議を設置して検討に乗りだし、同12月に「多様な事業展開に対応した法人格の取得が必要」とする最終報告をまとめた。


2017年05月01日月曜日


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