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<むすび塾>木造住宅密集「いち早く」へ連携

古くからの木造住宅が密集する墨田区曳舟地区。上が東京スカイツリーで、右が隅田川(東京新聞提供)

 東京新聞と共催で27日に開く「墨田むすび塾」は、墨田区の要請を受けて企画された。区の担当者や住民は「草の根で住民同士が災害対応を語り合うむすび塾の開催により、防災意識を高めたい」と期待する。
 東京スカイツリーがある墨田区は人口約26万。戦災を逃れた区北部の曳舟地区は木造住宅が密集し、消防車が入れない狭い路地も多い。火災が起きれば一気に燃え広がる恐れがある。
 冬場の夕方6時に震度6強の首都直下地震が発生した場合、想定死者は665人に上る。465人が建物倒壊で、200人が火災による犠牲と見込まれる。
 区は「燃えないまちづくり」を推進。各町内会・自治会の「消火隊」が災害時も初期消火を担えるように訓練を重ねるなど官民挙げて備えを進めているが、「災害は人ごとと考えている人が、まだまだ少なくない」と課題を挙げる。
 防災課の山岸幹郎係長は「大災害の被災者の肉声を聞き、防災に本気で取り組む人を増やしたい。いち早い避難が大切であることを確かめ合いたい」と語る。
 訓練に参加する杉の子学園保育所は毎月、近隣の公園への避難訓練を続けているが、地域との合同訓練は初めて。火の手が迫ったことを想定した2次避難も園単独では難しかった。
 今回は近隣住民と一緒に約1.5キロ離れた白鬚(しらひげ)東地区の指定避難場所まで逃げる。石塚千恵子副園長(55)は「地域の人と一緒に訓練できるのはありがたい。これを機にさらなる連携が生まれればうれしい」と期待する。
 海抜が低い墨田区は隅田川と荒川に挟まれ、水害の危険も迫る。曳舟中町会の須藤正会長(69)は「地震も火災も水害も、いざという時は地域の助け合いが大事になる。訓練を通じてさらに連携を深めつつ、震災で被災した人から教訓を学んで備えをレベルアップさせたい」と意気込む。


2017年05月02日火曜日


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