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<桜満開牡蠣>出荷ピーク 台風被害耐えて咲く

大切に育てたカキを箱詰めする佐々木さん(左)と佐々さん

 岩手県釜石市片岸町の室浜漁港沖で養殖した「桜満開牡蠣(がき)」が、出荷の最盛期を迎えている。養殖施設は東日本大震災に続き、昨年8月の台風10号でも甚大な損害を受けた。それでも再び立ち上がった養殖漁師を支えたのは、取引先や消費者の物心両面の支援だった。
 佐々木健一さん(44)と佐々新一さん(50)がブランド化を目指す桜満開牡蠣は、肉が厚みを増し味も深まる春が旬。1〜5月に出荷する。震災を乗り越え、昨季は約5万個を水揚げした。
 ところが台風10号で、鵜住居川から押し寄せた流木で養殖施設が損壊。カキも大量に落下してしまった。
 「震災から立て直した施設が一晩で壊され、ぼうぜんとした」と佐々さんは振り返る。カキ棚の重しにする砂袋9000個に砂利を詰め、カキをつるすロープを設置する作業が延々続いた。
 漁師仲間やボランティアの手も借りながらの重労働を、首都圏での販路開拓やイベント、養殖作業体験を通じてつながりができた取引先や消費者が支えた。復旧のための寄付や出荷再開を待つ声が手紙などで寄せられた。
 今季の出荷目標は1万5000個。「応援のおかげで気力を保てた。お客さんと顔の見える関係を築いたのが大きかった」と佐々木さん。佐々さんは「自然相手の仕事で困難はあるが、楽しみにしている人のためにおいしいカキを作り続けたい」と前を向く。


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2017年05月03日水曜日


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