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<ほっとタイム>建物の物語を大切に

渡辺さんが情熱を注いで改修した盛岡町家を見て歩く参加者

◎盛岡の町家保存に尽力

 岩手県内にある歴史建造物の保存、改修に尽力した盛岡市の建築家渡辺敏男さんが今年1月17日、亡くなった。65歳だった。
 東京都出身の渡辺さんは1980年、盛岡市に建築事務所を開設。仕事の傍ら、町家を活用する「盛岡まち並み塾」などの活動を進めてきた。病に倒れたのも、昭和レトロの風情漂う盛岡バスセンターの保存運動に取り組んでいたさなかだった。
 早すぎる別れを惜しみ、昔ながらの町家が立ち並ぶ盛岡市鉈屋町で4月中旬、しのぶ会があった。「古い町並みに新たな価値を与え、地域に誇りを与えてくれた」。まち並み塾副理事長の海野伸さん(67)は、そう功績をたたえる。
 しのぶ会に参加した人たちは、渡辺さんが改修に携わった町並みを一つ一つ見て歩いた。
 「壊すことは簡単。でも失ったものは戻らない。建物が持つ物語を大切にしよう」。参加者の誰もが、生前の渡辺さんの口癖を思い出していた。(盛岡総局・松本果奈)


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2017年05月05日金曜日


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