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被災公文書の保全考える 釜石でフォーラム

被災文書のサンプルを手にする青木准教授=国文学研究資料館

 東日本大震災の津波で大量の行政文書が被災し、修復活動が行われた岩手県釜石市で12日、行政文書の保全対策や将来の活用策を考えるフォーラム「地方再生に向けた公文書管理」が開かれる。

 主催する国文学研究資料館(東京都立川市)の青木睦准教授(アーカイブズ保存学)らは震災発生翌月の2011年4月下旬以降、釜石市役所の地下書庫などで被災した行政文書約2万7000点の回収、修復作業に当たった。

 文書リストを作り、近くの空き校舎に搬送。カビ増殖を防ぐため乾燥させ、文書に挟まった砂を取り除いて市に引き継いだ。一連の作業に地方の公文書館職員ら延べ950人が参加した。

 青木准教授らの活動を皮切りに、国立公文書館などが岩手、宮城両県の11市町で行政文書や学校文書を保全。水没の恐れがある場所で文書を管理していた問題などが浮上した。

 フォーラムでは、青木准教授が釜石市での取り組みの経緯を報告。歴史資料となる行政文書を保存公開するため公文書館を設置した熊本県天草市、大仙市職員らが事例を紹介する。
 1995年の阪神大震災では神戸市庁舎が崩壊して水道などの復旧に必要な書類が使えなくなり、担当職員が過労自殺して問題になった。青木准教授は「被災文書をなるべく早く救い出す必要性に加え、被災地に公文書館を設置し、貴重な文書を次世代に受け継ぐべきことを訴えたい」と強調する。

 フォーラムはライブ施設の釜石PIT(ピット)で午後1〜5時。入場無料。


2017年05月06日土曜日


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