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<みなし仮設>熊本・益城の相談員確保が難航

 熊本地震の発生から1年が過ぎた熊本県益城(ましき)町で、民間賃貸住宅を行政が借り上げる「みなし仮設住宅」の入居者への支援が届きにくくなっている。被災者が町内外に点在している上、生活支援相談員のなり手が不足する。関係機関は東日本大震災で経験を積んだ支援団体のサポートを受け、態勢強化を目指す。

 「見守り対象は約1400戸。全戸訪問は昨年10月から半年かかった。人手が足りない」。益城町の委託で、みなし仮設入居者を支援する一般社団法人「こころをつなぐよか隊ネット熊本」(熊本市)の土黒(ひじくろ)功司さん(38)は肩を落とす。

 町社会福祉協議会によると、見守り対象のみなし仮設は町内が約200戸。隣接する熊本市に約850戸など町外が多い。県の調べでは、県内のみなし仮設で独居の40〜90代男女計13人が死亡。うち3人が孤独死だった。相談員を本年度、5人増の20人にしたが、土黒さんは「十分かどうかも見通せない」と嘆く。

 相談員の確保が難しいのは、町の被災者の多くが隣の熊本市で働き、職を失った人は限られるからだ。町社協は「東日本では津波で職を失った人が多く、人材を確保できた。この違いが影響している」とみる。
 町社協は当面、民生委員らの協力を得て見守りを継続する方針だが、根本的な解決には至っていない。

 助言してきた仙台市の一般社団法人パーソナルサポートセンターの執行役員高木秀明さん(68)は「国や自治体の十分な予算措置で、相談員の待遇を充実させる必要がある。被災者の命を守る専門性を備えた相談員の育成は、地域福祉の資源になる」と指摘する。


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2017年05月06日土曜日


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