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<エスタ>津波被災の駅前スーパー 閉店へ

今月末の閉店を知らせる看板を設置したエスタ店内=2017年5月8日午前
「エスタ」が入る石巻市役所=2010年3月撮影

 JR石巻駅前の石巻市役所1階に入るスーパー「エスタ」が5月末で閉店することが8日、分かった。東日本大震災で津波被害を受け、再開後も売り上げが回復しなかった。同店の撤退後、貸主の市は引き続き商業スペースとして利用する予定だが、テナントの募集時期や売り場規模は決まっていないという。
 運営会社の食料品販売会社「ステップ」(宮城県石巻市)によると、エスタは2008年6月に旧さくら野石巻店ビルに開店。10年3月に市役所が同ビルに移転し、売り上げは順調に推移していた。
 しかし、11年3月の震災で1階が約1メートル浸水し、商品や冷蔵庫、電気系統などに被害が出た。同年5月末に営業を再開したものの、震災前に月4000万円以上あった売り上げは約4分の3にとどまった。
 市中心部の住民は減少し、駐車場の利便性も改善できず、集客に影響が出た。市立病院が昨年9月、石巻駅前に移転・再開し、利用客増が期待されたが、売り上げはほとんど変わらなかった。
 市との契約期間は来年5月末までだが、和賀井啓之社長(64)は「周囲への迷惑を最小限にしたい」と閉店を決断。同社はエスタとは別の不動産収入で会社の運営を続けるという。社員とパートの約20人は解雇する。
 市によると、市はステップに1階の約4680平方メートルを貸し、うち約8割は売り場とバックヤードとして利用。残り約2割はステップが喫茶店や花屋など13店舗に貸している。13店舗は営業を継続する予定。
 和賀井社長は「震災の影響で商業の中心が郊外に移った。広い駐車場もなく、営業継続は難しい。お客さまには長い間お世話になり感謝したい」と語った。
 買い物に訪れた同市田道町の無職男性(72)は「市役所に来る度に買い物をしていた。駅前にスーパーがないと困る人がいっぱいいるのではないか」と話した。


2017年05月09日火曜日


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