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<長寿企業とCSR>時代超え「三方よし」実践

 国内最古の企業の起源は飛鳥時代にさかのぼる。社寺建築の金剛組(大阪市、578年創業)は、初代が聖徳太子の招きで朝鮮半島の百済から訪れ、日本最初の官寺「四天王寺」(同)の建築に携わったと言われる。世界最古の企業でもある。

◎清酒や菓子、鋳物…暮らし密着の商品提供

 東京商工リサーチによると、今年創業100年以上となる「老舗企業」は全国で3万3069社に上る。創業1000年超は、仙台市太白区のホテル佐勘(1000年創業)など7社。日本史の教科書に登場する「摂関政治」を繰り広げた藤原道真の隆盛期以前に当たる。
 企業の規模別でみると、従業員10人未満の小規模企業が全体の5割に上った。売上高は「1000万円以上1億円未満」が3分の1で最多。5億円未満が全体の7割を占める。のれんを守るため、身の丈にあった経営を続ける姿勢がうかがえる。
 東北の上位30社には旅館・ホテル業、清酒製造業が15社入り、菓子や鋳物関連の業種も目立つ。いずれも江戸時代初期以前の創業。藩御用達として地場を固めつつ庶民の暮らしに欠かせない商品を生み出し、地域と共に歩んできた歴史がある。
 東日本大震災後、企業の存続は社会的責任であることが再認識された。被災地の企業は、経営の危機にさらされながらも生活道路の復旧や食料、生活必需品の提供に奔走。雇用を守り、被災地経済の復興に貢献した。
 震災によって改めて注目された「共存共栄」「三方よし」の精神は、長寿企業の根底に流れる経営哲学に通じる。飛鳥時代から現代へ。商いの歴史にはCSRが貫かれている。


2017年05月15日月曜日


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