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お金出せぬが新事業支援 行政主導のCF好調

CFで集めた資金を活用して新調したキッチンで笑顔を見せる佐々木さん

 インターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)が、青森県下北地方で軌道に乗りつつある。主導するのは行政。財政難の自治体が、お金ではなく知恵を出して市民活動を支援する取り組みで、新たな市民サービスの一つとして重宝がられている。
 「金融機関から資金調達していたら、いつ実現したか分からない」
 むつ市奥内でジャム工房「チャーリーズジャム」を営む佐々木郁美さん(53)は、新調したキッチンでジャムの試作品作りにいそしむ。材料に使うのは下北地方特産のスグリ。
 ガラス窓越しに見学できるキッチンはCFで得た資金を活用した。目標金額170万円に対し、約180万円の寄付が集まった。
 地元では当たり前のスグリやフサスグリは洋名でグーズベリー、レッドカラントと呼ばれ、都市圏などで人気だ。「下北のスグリをもっと知ってもらいたい」とCF窓口の「ファーボしもきた」に申し込んだ。
 「ファーボしもきた」は下北地方のむつ市、大間町、東通村、風間浦村、佐井村が、CF運営会社から地域オーナーの認定を受けて設立した。同地方で夢やアイデアの実現を目指す事業者を募り、ネットを通じ、事業者への支援を全国に呼び掛ける。
 地域振興の事業ならば、最低目標金額20万円から応募できる。達成できた場合、集金額の15%を運営会社に支払い、残りを事業者が受け取れる仕組み。行政側の取り分はない。
 昨年4月の風間浦村の温泉街にカフェを作る事業(支援額約190万円)が最初で、薬研温泉での豪華キャンプ体験イベント(同約78万円)など、これまで6事業中5事業で資金集めに成功した。
 行政側は補助金での支援ではなく、ホームページに掲載する文章や写真の編集、会員制交流サイト(SNS)で情報を発信してサポートする。
 事務局を務めるむつ市市民連携課の中野敬三課長は「行政が直接支援できなかった個々の事業や細かな部分にも対応できるようになった。事業を軌道に乗せ、運営自体も民間に任せられるようにしたい」と話す。


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2017年05月22日月曜日


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