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<この人このまち>若手に自覚 商店「占拠」

橋本充司(はしもと・あつし)1983年大阪市生まれ。会社員を経て、2012〜16年いわて復興応援隊。現在、妻の実家の菓子店勤務。

 岩手県岩泉町で、大っぴらに商店街の「のっとり計画」が進行している。商店の若手後継者が店舗の一角を「占拠」し、自由な発想で商品やサービスを提供する取り組み。狙いを仕掛け人の橋本充司さん(33)に聞いた。(宮古支局・高木大毅)

◎岩手県岩泉町の商店街「のっとり計画」仕掛け人 橋本充司さん

 −「乗っ取り」とは随分穏やかじゃないですね。
 「はい、小学4年生から30代後半まで16人の後継世代が、町中心部にある『うれいら商店街』の12店舗を乗っ取りました」
 「スーパーには岩泉町で人気の炭鉱ホルモンを斬新な味付けにした商品を並べ、日本茶販売店ではマレーシアのお茶を売ってます。うちでは町民をモデルにしたファッション誌風の雑誌を置いてます。商品を紹介するポスター掲示や各店を巡るクイズラリーもあります」

 −大阪出身の橋本さんが仕掛け人になった経緯は。
 「岩泉町には、会社を辞め、いわて復興応援隊として来ました。その後、結婚して妻の実家で菓子店を手伝っています。応援隊として商店街のイベントに関わったこともあって『何かやってよ』と。活性化すればうちにとっても良いと思い、引き受けました」

 −企画の狙いは。
 「すぐ近くにある龍泉洞には、年間17万人の観光客が訪れます。面白いことをすれば、うれいら商店街にも人を呼び込めるはずです。今の店主たちが引退する日のために後継の世代が経験を積み、自覚を持つ一歩にしたいと考えました」

 −昨年8月の台風10号豪雨で、町は大きな被害を受けました。
 「町内にはまだまだ災害の爪痕が残っています。『のっとり計画』も昨年10月に開催する予定が、台風被害でいったん中止になりました。ふざけたような企画で、被災者の気持ちを思うと心配もありますが、大勢の観光客が訪れ、大変な現状も頑張っているところも見てもらえれば町の復興につながると考えています」

 −商店街の活性化に向け今後の戦略は。
 「万人受けを狙っても都会には勝てないので、岩泉でしかできない風変わりな企画を打ち出したいです。これまでのイベントは、利益を度外視した部分もありました。今後は、きちんと収益につながる計画を立てたいですね」


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2017年05月22日月曜日


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