岩手のニュース

<ほっとタイム>陸前高田・92歳で自宅再建

再建した自宅で知人と談笑する新沼さん

◎古里の復興見届ける

 東日本大震災で被災した92歳が、自宅の自力再建を果たした。戦禍と災禍をくぐり抜けて「第三の人生」をかみしめている。
 岩手県陸前高田市の新沼薫さん自慢の新居は約90平方メートルの平屋。1人暮らしだが、震災前に亡くなった妻テル子さんの墓を窓から眺められるのが気に入った。
 あの日、新沼さんは高台でゲートボールをしていた。市街地に戻らず、高台にとどまって津波から逃れた。
 何度も命拾いしてきた新沼さん。戦時中も、仙台や青森で空襲に遭遇しながら生き延びてきた。
 92歳の決断を関東にいる息子たちは随分心配したようだが、新沼さんに迷いはなかった。「少しでも地元に役立ちたい」と災害公営住宅で今も、自分より若い高齢者の見守り活動に加わっている。
 「家を建てたんだから長生きしないとね。復興した古里を見届けるまでは死んでいられない」。新築記念に、奮発して大きなテーブルを買った。多くの友人と語らうために。(大船渡支局・坂井直人)


2017年05月23日火曜日


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