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<さくら野仙台破産>解体・再開発 先行き不透明

さくら野仙台店の建物2階の海外アパレル「H&M」が営業を終え、ペデストリアンデッキ側の出入り口は閉鎖された=26日

 さくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)を運営するエマルシェ(同)が自己破産して27日で3カ月となる。全テナントの退去が近く完了し、建物の解体と再開発に向けた地権者協議が本格化する。複雑な権利関係に加え、解体や再開発を巡る地権者間の溝は深く、先行きは依然、不透明だ。
 さくら野仙台店の破綻後、最後まで残っていたテナントのエステサロンは28日、営業を終える。空きビルになる同店は老朽化が進み、仙台市の診断で「震度6強〜7程度で倒壊の危険性がある」と判定された。耐震改修して再利用する可能性は小さく、建物は解体される見込みだが、調整は難航が予想される。
 複数の法人、個人が分割所有するさくら野仙台店の土地と建物のうち、8割を占める最大地権者が「さくら野DEPT仙台合同会社」(東京)だ。今年1月には同店が営業中だったにもかかわらず、他の地権者に建物解体の同意を求める調停を申し出た。
 合同会社の実態は出資者が明らかにされない匿名組合のファンドで、建物を解体して土地を売り、投資を回収することが目的とみられる。周辺の再開発を担った東急不動産(東京)が関与していたが、2014年12月に撤退。現在の匿名出資者による運営に切り替わったとされる。
 関係者によると、合同会社以外の地権者はさくら野仙台店の前身の丸光、ビブレ時代からのオーナーで、合同会社が主導する解体に反発する声があるという。調停は継続中で、同意のめどは立っていない。
 早期に解体できず、建物が残った場合、維持費の問題が生じる。1カ月約2000万円に上るとされ、オーナーが所有割合に応じて全額負担するとみられる。
 不動産関係者は「賃料も得られないビルの維持に毎月2000万円払い続けることになる。地権者側にメリットはなく、限界が来るだろう」との見方を示す。
 過去にも再開発が頓挫した経緯がある土地だが、路線価が東北一の超一等地でもあり、「再開発の動きが表面化すれば、ぜひ関わりたい」(大手不動産関係者)との声は少なくない。
 さくら野仙台店は、仙台市が管理するJR仙台駅前のペデストリアンデッキに面し、再開発には市の協力が必要になる。市幹部は「所有者の1人でも反対がある限り、再開発が進むことはない。まだ出番はないだろう」と話す。


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2017年05月27日土曜日


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