岩手のニュース

<あなたに伝えたい>親孝行な2人見守っていて

栄子さん、光さんの遺影に手を合わせるアイさん

 三浦栄子さん=当時(35)=、光(こう)さん=同(33)= 岩手県釜石市東前町の自宅に父寿一さん、母アイさん(67)と暮らしていた。2人とも病気療養中の寿一さんを心配して外出先から自宅に戻り、津波にのまれた。寿一さんは2014年8月、71歳で亡くなった。

◎優しく周囲に好かれていた子どもたち/三浦アイさん(釜石市)栄子さん、光さんへ

 アイさん 小学5年で腎臓の病気になり、入院しながら特別支援学校で学んでいた長女の栄子。本人の希望で一般の中学校へ転校し、高校にも進みました。
 体調が悪くても黙って通院していたのは、自分の言い出したことで迷惑を掛けたくなかったからでしょう。
 病気を乗り越えての就職は、親として本当にうれしかった。「恩返し」と給料日にくれる3万円をため、内緒で成人式に振り袖を買ってあげました。あの時の喜ぶ姿が忘れられません。
 バンド「ゆず」の大ファンでした。今もテレビに映ると、栄子に聴いてほしくて音量を上げます。
 栄子と幼い弟の面倒に追われ、寂しい思いをさせた長男の光。小学6年で野球チームの主将になった時は、思い切って1年間休職し、試合や練習に付きっきりで応援しました。友達や同僚には「光ちゃん」と呼ばれて好かれていました。
 夫が肺がんを患った時は、いつでも病院に行けるようにと光は大好きなお酒を控えるようになり、自宅で過ごす夫のために栄子と協力してテレビを買い替えてくれました。親思いの優しい子たちでした。
 あの日、2人に「先に出て」と言われ、津波が迫る中を夫と逃げたのが最後になりました。ただただ申し訳ないし、悔しいです。
 栄子。光。私を含めて残った人は元気でやっているから、見守ってね。2人のことだから、あっちでも仲良くしていると思います。


2017年05月28日日曜日


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