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<むすび塾>地震火災 声掛け合って避難大切

訓練を振り返り、地震火災からの避難方法などを話し合う参加者=27日午後、東京都墨田区のすみだボランティアセンター

 東京都墨田区曳舟(ひきふね)地区で27日実施した巡回ワークショップ「むすび塾」は、地震火災を想定した避難訓練を踏まえ、木造住宅密集(木密)地域が抱える課題などについて意見交換した。住民同士で声を掛け合って避難することの大切さや、防災対策の強化に向けた心構えを確認した。
 訓練で園児13人を誘導した杉の子学園保育所の石塚千恵子副園長(55)は「園では毎月1回訓練をしていたが、町会と一緒にできたのは初めてで心強く感じた。さらにつながりを深めたい」と話した。
 園児の避難を手伝った曳舟中町会の須藤正会長(69)は「今後は園や地域の事業所なども訓練に巻き込み、地域で連携して災害対策を進めたい」と語った。
 阪神・淡路大震災の火災で弟2人を亡くし、語り部として活動する神戸市長田区の介護施設職員柴田大輔さん(29)は「木密地域で火災が起きれば逃げ道は限られる。普段からさまざまな災害状況を想定し、複数の避難経路を考えておくべきだ」と助言した。
 東日本大震災の発生直後、職場近くの保育園に駆け付け、園児の避難を手助けした気仙沼市の会社員藤本考志さん(39)は「顔の見える関係がいざというときの力になる。日頃のコミュニケーションを心掛けてほしい」と述べた。
 墨田区は海抜が低く、水害のリスクを抱えていることから「地域に高台がないので、逃げるならビル。事前にビル管理者らと話し合っておく必要がある」などの意見も出た。
 東洋英和女学院大の桜井愛子准教授(防災教育)は「地域の防災力を高めるには、専門家だけでなく、防災意識の裾野を広げることも大切。幅広い層の住民と地域全体で取り組んでほしい」と呼び掛けた。


2017年05月28日日曜日


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