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<北ミサイル>Jアラート 東北手探り

ミサイル発射を想定して全国で初めて行われた男鹿市の避難訓練=3月17日

 東北の交通機関や観光、宿泊施設が、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて全国瞬時警報システム(Jアラート)が鳴った場合の対応を迫られている。弾道ミサイルは21日にも発射され、今年に入って既に8回を数える。緊迫した情勢が続く一方で、政府は列車やホテルでの具体的な避難誘導を定めていない。関係機関は急きょ、独自のマニュアルを決めたが内容はさまざま。国の指針待ちで未定の機関も多い。

 交通機関では、鉄道とバスで対応が異なる。JR東日本は東北各県のJR線のうち、ミサイルが着弾する可能性のある地域の列車を一時停止させ、乗客に窓から離れて車内で待機するよう指示する。
 仙台市交通局は市バスと市地下鉄で、それぞれマニュアルを策定。バスの場合は乗客を降ろし、乗務員が近くの頑丈な建物や地下に誘導する。地下鉄は最寄り駅まで運行した後、乗客をホームなどの車外に導いた上で待機してもらう。
 市交通局の担当者は「バスは燃料を積んでいるため車内待機は危険。近くに頑丈な建造物がない場合、災害時の指定避難所への誘導を検討している」と説明する。
 近隣にあるホテル同士でも違いがある。ホテルメトロポリタン仙台(仙台市青葉区)は「着弾まで時間がなく、混乱を避けるため」として室内待機を求める。
 300メートルほど西側にある仙台国際ホテル(同)は客室待機を呼び掛けた上で、希望者は地下2階の駐車場に誘導する。担当者は「安全確保が最優先で、宿泊客の希望に応じる」と話す。
 一方、全国で初めて住民避難訓練を実施した男鹿市の男鹿水族館GAOや、秋田県内で路線バスを運行する秋田中央交通(秋田市)はマニュアルを策定していない。ともに「政府の指針や通達が出れば作成する」(各担当者)との見解だ。
 政府は内閣官房のホームページで、Jアラートが鳴った際、国民に頑丈な建物や地下に逃げるよう呼び掛けているが、交通機関などでの具体的な誘導方法は定めていない。
 国土交通省大臣官房危機管理官は「具体的な避難方法は事業者の判断に委ねる。事業者の対応について聞き取りすることはあっても、マニュアルを策定するよう指導することはない」としている。
 ミサイル落下を想定した住民避難訓練は、酒田市で6月9日に実施されるなど各自治体が計画している。

●JR東日本の場合/乗客、窓から離れ待機

●仙台市バスの場合/建物などに乗客誘導


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2017年05月29日月曜日


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