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犠牲者追悼施設デザイン案再検討へ 遺族の異論配慮

 東日本大震災で多くの住民が犠牲になった釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センター跡地に市が建設する「祈りのパーク」について、市民らでつくる整備推進委員会は26日、前回の会合で合意したデザイン案を再検討することを決めた。遺族の委員が異論を唱え、再考を求めたのが理由。6月末の最終会合を前に追加で会合を開き、議論を詰める。
 デザイン案は(1)盛り土した丘の上を祈りの場とし、元の地盤から11メートルの高さに石碑を建てて震災時の津波高を示す(2)丘の中心のくぼんだ部分に犠牲者名を記した芳名板を設け、慰霊の場にする−が柱。4月下旬の前回会合で、遺族の男性委員を含む全員が了承した。
 男性委員は他の遺族と話し合い、違和感が強まったと説明した。防災センターの建物内で大勢が亡くなった経緯から、芳名板の設置場所について「犠牲者は海が見える丘の上を望むのではないか」と指摘。「誰のために、どんな施設を造るのかをもう一度考え直してほしい」と訴えた。
 理解を示す委員もいたが、戸惑いの声もあった。野田武則市長が「禍根を残してはいけない。時間はかかっても立ち止まって考えるべきだ」と引き取った。
 市は今年3月のパーク開設を目指していたが、財源となる復興交付金の調整が長引き、完成目標を2年遅れの2019年2月末に延期した。間に合わせるには委員会の議論が6月末までに終わる必要がある。


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2017年05月29日月曜日


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